お悩み⑬「この春から子どもを塾に通わせたいのですが、クラス・個別指導塾、家庭教師、通信教育…、どの塾がどんな子に向いているのか教えて欲しいです。また、塾に通うことになったら今習っているピアノやスイミングは辞めた方がいいのでしょうか。」
(新中1生のママ・おつきさん)
春は進級などがあり、新しいスタートを切るのには良いタイミングですね。今は学習スタイルの選択肢も増えており、最適な学習環境を選ぶことが大切になってきているように思います。今回のご質問に対しては、あくまで一般的な考え方をお話しします。ご家庭で検討される際の一助になれば幸いです。
●クラス指導塾
クラス指導塾の特徴は、テストや入試から逆算されたカリキュラムです。授業は一斉指導で進んでいくので、テスト対策が間に合わないということが少ないのは良い点ですね。また学校のようなスタイルなので、一定の基礎学力があり、なおかつ地域TOP校を目指すようなお子さんにはクラス指導塾が向いてると思います。ただし、予め曜日と時間が決まっているので、部活動よりも塾に通うことをメインに考えられているご家庭に適していると思います。
●家庭教師
先生がマンツーマンで指導してくれるので、つまずきの解消や補習などに合っていると思います。個々のカリキュラムとなりますので、進度のコントロールが重要です。料金は、クラス指導塾に比べると高額になることが多いので、教科を絞って弱点克服に活用される方が多いのではないでしょうか。また通塾の時間がないこともメリットの一つ。部活や他の習い事などで忙しいお子さんや、自宅近くに学習塾がないといった場合に利用される方も多いように感じます。
●個別指導塾
個別指導塾はクラス指導塾と家庭教師のいいとこ取りで、個別にカリキュラムが組まれます。月々の料金は家庭教師ほど高額にならないので、複数教科の受講もしやすいのが特徴です。また学校の定期テスト対策も充実しているので、勉強する習慣を身に付けたい、適切な勉強の仕方を知りたいというお子さんに最適です。通塾の時間が必要となりますが、曜日や時間が選べて、お子さんのスケジュールに合った時間割が組めるので、部活動との両立がしやすいと言えます。
●通信教育
最近はタブレットなどを使った教材も増えてきました。以前に比べると、教材の内容も充実してきているようです。通信教育は、もともと家庭学習の習慣があり、自分で決めたことはしっかりとこなせるお子さん向きと言えるでしょう。ただ心配なのは、飽きてしまってやらずに溜め込んでしまうお子さんが多いこと。学習に取り組めずに過ぎてしまった時間が、結果的に学力差を生んでしまっていることもあると思います。ですから、通信教育を選ばれた際には、保護者様が定期的に学習状況の確認をしてあげるのが良いかもしれません。
私は学習塾を上手く活用して効率良く勉強することをオススメしています。近年、英会話やプログラミング教育、さらには部活や習い事など、日々を忙しく過ごす子どもたちが増えてきているように感じます。時間の使い方は、学校で教えてくれるものではありませんし、親が指摘したところで、なかなか思うようにはいかないものですよね。そういった学校や家庭での指導が難しい部分を、塾に任せるというのも一つの方法だと思うのです。時間を効率良く使えれば、ご質問にあるようなスイミングやピアノといった習い事との両立も可能になりますし、お子さんの視野も広がることでしょう。
勉強が苦手なお子さんは「勉強の仕方がわからない」「勉強の習慣が身についてない」ことがほとんど。学習内容よりも一歩手前のところで悩んでいらっしゃることが多いように思います。ほんの少しのお手伝いで劇的に成績が上がる生徒さんもいらっしゃいます。そういう意味で、学習塾を上手くご活用いただくのもアイディアの一つだと思います。
※この記事はaruku2019年4月号に掲載したものです。