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公開日:
2014.2.4
更新日:
2020.1.23

生活に根差した冬の風景「あんぽ柿」と「だるまの顔入れ」

生活に根差した冬の風景「あんぽ柿」と「だるまの顔入れ」

黄金色に輝く「柿ばせ」
梁川町五十沢地区 岡崎 光さん宅

約90年前、五十沢の小学校の先生が編み出したという「あんぽ柿」は、この地区の冬を豊かにしました。渋柿を硫黄燻蒸してから乾燥させる製法で、輝くように美しく、栄養価の高いドライフルーツが実現。今も千軒以上があんぽ柿を作っており、納屋の2階に設けた「柿ばせ」いっぱいに柿が吊られる風景は、冬の風物詩となっています。


あんぽ柿は、細長い「蜂屋柿」と種のない「平核無」の2種類。実はゼラチン質でふわっと柔らかく、こっくり甘い。そのまま食べるのはもちろん、料亭などでは高級食材として天ぷらなどの料理にも使われるとか。風邪予防に効果的なカロテン・ビタミンCや、血圧を下げるカリウムがたっぷり。原発事故の影響で生産を自粛していたが、この冬3年ぶりに出荷を再開した。写真(右)は話を伺った岡崎光さん。60年以上続くあんぽ柿農家で、例年10万個を出荷していたとのこと。

白河だるまの顔入れ
白河市 佐川だるま製造所


2月11日はだるま市。20軒程並ぶ「白河だるま」のお店の品は、昔から2軒の製造所が引き受けているそうです。木型に和紙を張って形を作り、一体一体筆で色付けする手間のかかる仕事。だるま市の直前は、一年かけて準備しただるまに顔を描く、総仕上げの時期です。

顔入れを待つ赤いだるまがこれだけ並ぶのは、だるま市直前ならでは。顔を描くのは、伝統を受け継ぐ家人だけと決まっているそうで、今は、女性絵師 佐川理沙さんが筆を執る。白河だるまは、鶴・亀・松・竹・梅・がはいった縁起の良いお顔。その品の良さは日本一だ。
※だるま市以外の日もお店で販売しています。

SHOP INFO

佐川だるま製造所

白河市横町81

営/8:30 ~19:00
休/無休

※この記事はaruku2014年2月号に掲載したものです。