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公開日:
2019.9.3
更新日:
2020.6.9

ネイリスト| プロフェッショナル夢名鑑 

ネイリスト| プロフェッショナル夢名鑑 

爪のお手入れからカラーリングやアートデザインを行うネイリスト。爪を健康的に美しくするお手伝いをするネイリストの仕事内容ややりがいを伺いました。

初めてのネイルサロンで「ネイリストってかっこいい!私もなってみたい」と思いました。

お店の雰囲気を褒められるのも嬉しいけれど、やっぱり「腕がいいから好き」と言われるのが一番嬉しいそう。

ネイリストになろうと思ったきっかけはなんですか?

伊藤 ネイルサロンに行って、ネイルをした時です。担当のネイリストさんがすごくかっこいいなと思ったのがきっかけ。一回でビビッときたんですよね。ただ、絶対になりたい!というよりは、何か資格を取りたいと思っていて、「これだ」と思った感じです。でも、とりあえず何もわからないから、本屋で「ネイリストになるには」のような本を買って読みました。それからまずは資格を取ろうと思い、ネイルスクールに通いました。

ネイルスクールに通い出したのは、社会人になってからですか?

伊藤 はい。私は高校卒業後に一度就職していたので、働きながら、週末はスクールに通いました。最短で1年半くらいで全課程を受けるところ、3年くらいかかりましたね。実技の他に、学科の勉強もしました。爪やネイルの歴史を振り返ったり、爪の組織・皮膚や骨の仕組み、薬品について勉強したり。ピンポイントでネイルのやり方だけではなく、基礎知識も勉強するんです。

ネイリストの資格にはどんなものがあるのですか?

伊藤 ネイルの資格もいろいろなんですよね。メジャーな資格だと、JNEネイリスト技能検定が3~1級まであります。3級は美容師の専門学校でも取るらしく、基礎内容。2級はネイルサロンでも働けるレベル。ネイリストって明確な資格がなくてもなれるので3級でも問題ないのですが、資格を持っているよって謳うなら、2級以上を持っていた方が良いですね。資格は必須ではないとはいえ、ネイリストなら基本は皆さん持っていると思います。

伊藤さんは何級まで持っているのですか?

伊藤 私は1級まで取りました。1級の試験の合格率は3~4割くらいで、わたしも3回目でやっと受かりました。1回目に落ちた時点で「あーダメだ、2級で良いかな」と思ったんですが、とりあえずもう一回、と思って頑張りました。そして、1級を取ってからネイリストとして働き始めました。

最初はどんなことからするのですか?

伊藤 最初は、資格は持っていてもサロンに通用するレベルではないんですよね。だから、流れの一部分だけに入らせてもらうアシスタントから始まります。まずはネイルケア。完璧にできたら次はネイルのオフ。それが出来たらやっとカラーやアートの施術です。スタッフの爪で練習させてもらったり、家でも夜中まで練習したりしましたね。自分の爪、ネイルチップ、家族の爪も無理やり借りて。初めは思っていたのと違って戸惑いもありました。

どんなところに戸惑いを感じたのですか?

伊藤 ネイリストになったら最初からお客さんに入れると思っていたのと、資格は取ったけれど自分はこんなにもできないんだと感じたところです。技術面プラス接客の難しさを痛感しました。対面の難しさを経験したからこそ、今でもデザインや色の合わせ方など事前に声掛けや確認を徹底しています。

いつぐらいから、仕事にやりがいを感じるようになりましたか?

伊藤 私が良いというお客さんが来始めたのが2~3年目。そのくらいから仕事が楽しいな、と思えるようになってきました。あとは、自分の中で出来るアートの枠も増えてきて、言われたものができる時期ようになったのも同じ頃でした。「どんなオーダーが来るだろう」から「あぁ、これね」と、ちょっと余裕が出てきたんです。仕上がりを見て、「想像以上です」とか「周りからの評判がすごく良かった」って言ってもらえるのがすごく嬉しいし、やっていて良かったと思います。

1日に何人くらい対応するのですか?

伊藤 メニューによっても変わりますが、だいたい3~4人です。予約がいっぱいの日は、1日の終わりには結構くたくた。思っているより体力も使うし、頭も使うんですよ。座っているだけだからそんなに疲れないんじゃない?と思われがちですが、話しながら頭を使って、腕を動かして…となると、意外に体力も消耗します。

流行りのデザインなどは、どうやって調べているのですか?

伊藤 ネイルのイベントに行くなどします。新作のジェルが発表されたり、新しい技法のデモンストレーションが見れたりするんですよ。そこで自分で見て、やってみて、うまくいかなかったらまた調べてという感じです。流行はこの仕事をする限りずっと追います。でも、新作を見るのは楽しいんです。これ、どうなっているんだろう、とか。自分の好みのものがあればやってみたいと思いますし。そうやって、興味を持ってもらえるようなネイルをいっぱい作りたいんです。

ネイリストを目指す子どもたちにアドバイスをお願いします。

伊藤 美術館とかに行き、アートや色遣いをいっぱい見た方が良いと思います。私もそうですけど、色の組み合わせって自分の中でこれとこれ、と決めつけちゃうことが多いんです。でも、アートを見て、これがここに混ざったらこんな感じになるんだ、と気づけば新たな発見になります。その発見をネイルに活かせたりするので、自分の中で引き出しを作れると良いと思います。デザインだけではなくて、色遣いで目を養ってみてください。


伊藤さんのデザインネイルたち。伊藤さん自身はシンプル系でメリハリのあるデザインが好みなのだとか。

お仕事道具の一部。よく使うものは、3ヶ月程度で消耗してしまうことも。

お名前
Beauty Salon MYU MYU店長 伊藤 由香(いとう ゆか)さん
出身地
福島県二本松市
出身校
安達高校
休日の過ごし方
食べ物は比較的何でも好きで、食べ歩きに出かけるそう。

※この記事はaruku2019年9月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。