子どものための医療コラム
当院でも、10月8日(火)から、今年度のインフルエンザワクチンを開始しました。今回は、当院でよく質問されるベスト5についてお答えします。
Q1.インフルエンザのワクチンは、なぜ毎年するの?
A.インフルエンザウイルスは、毎年のように変異しながら流行します。そのため、ワクチンは毎年そのシーズンに合わせたものが製造されるので、毎年の接種が必要です。
Q2.春先に流行するインフルエンザB型のワクチンもありますか?
A.インフルエンザワクチンには、毎年、流行が予測されるA型とB型が含まれています。現在、4価のインフルエンザワクチン(A型2種、B型2種)が使用されています。
Q3.インフルエンザのワクチンは、なぜいつもこの時期なの?
A.インフルエンザウイルスは活動しやすい時期があり、日本では毎年12月後半から3月頃まで流行します。インフルエンザの抗体ができるまでには通常約2週間程度かかり、13歳未満のお子さんは2回接種することで十分な抗体が作られるとされているので10月から接種を初めて、12月までにはしっかりと抗体を作るために、この時期の接種になります。
Q4.13歳未満の子どもは2回接種と聞きますが、どれくらいの間隔で受けるのがよいですか?
A.原則的には接種間隔は2~4週間隔ですが、より免疫効果を高めるためには、できれば4週間隔での接種をお勧めします。十分な間隔をあけるためにも、早めの接種をされてください。
Q5.卵アレルギーの子どもに、インフルエンザワクチンは接種できますか?
A.ワクチンは、発育孵化鶏卵の尿膜腔で増殖したインフルエンザウイルスを原材料として製造されています。近年は高度に精製されていますが、ごく微量の鶏卵由来成分が残存し、これによるアレルギー症状がまれに起こることがあります。そのため鶏卵完全除去中や鶏卵接種後にアナフィラキシーを起こした病歴があるお子さんは専門施設での接種をお勧めします。
お話をうかがった先生
さかい小児科クリニック院長 酒井 英明先生
昭和大学医学部卒業。福島県立医科大学大学院修了。県内の総合病院勤務後、クリニックを開業。全国でも数少ない感染症指導医。
※この記事はaruku2019年11月号に掲載したものです。