今や福島を代表するお土産となった「薄皮饅頭」が誕生したのは、ペリーが黒船に乗って来航する1年前の嘉永5年のこと。創業者の初代本名善兵衛さんが「病に薬がいるように、健やかな者に心のなごみがいる」との思いから、餡がたっぷりで皮の薄い饅頭を考案したのが始まりだといいます。
以来、160年以上にわたって愛され続けてきた伝統的なイメージとは裏腹に、常に時代の最先端を取り入れてきた『柏屋』。たとえば、機械で餡を包む自動包あん機を50年以上も前の昭和38年に世界で初めて開発・導入。同じ年には、時代を先取りした冷凍食品の「フローズン薄皮」や、焼き饅頭独特の香ばしい風味をプラスした「やき薄皮」といったアレンジ商品も開発(昭和61年発売のつぶあんよりもかなり早いのにびっくり!)しています。他にも「東北で初めてコーラを販売」「全国初のカフェテリア方式のドライブインをオープン」など、意外なエピソードが次々と!開拓者の街である郡山らしく、新しいことにチャレンジし続けることで、伝統を進化させてきたのだと感じました。
・しっとりときめ細やかなあんこの美味しさこそ、薄皮饅頭の真骨頂!甘い物が重宝された昭和の時代に比べて、トレンドに合わせて甘さや風味も進化しています。
・シンプルだからこそ飽きがこない薄皮饅頭。日本3大まんじゅうの一つです。
※この記事はaruku2020年3月号に掲載したものです。価格や内容は取材時のものです。