東大や国公立大学に多くの合格者を輩出する「福島成蹊中・高等学校」。高校受験をゴールとするのではなく大学進学そしてその先を視野に入れる成蹊の中高一貫の授業の中には、全学年が参加する秋季学習合宿があります。今回は9月9日(水)~12日(土)に岩手県の国立岩手山青少年交流の家で行われた合宿をarukuがリポート!
※2019年度も在籍26名のうち、東京大学に2名、医学部医学科では慶應義塾大学や福島県立医科大学などにのべ13名、東北大学9名、国公立大学合格者数ものべ24名(在籍の92%)など、難関大学に多くの合格者を輩出しました。
通常は3月に春季合宿(新中学2年~新高校3年)、4月にオリエンテーション合宿(中学1年)、8月に夏季合宿(全学年)を行っていますが、今年度はすべて中止となってしまいましたので、急遽、秋季学習合宿を行いました。
早朝のテスト、午前・午後の授業、夜間の自習と1日の学習時間は10時間を越えますが、休憩時間もほとんどの生徒は学習を行うほど意識を高く保てる大きな理由はやはり環境!10時間あまりの学習を1人でやろうとしたら、途中で挫けそうになる事もあるのではないかと思います。だからこそ同じ意識で目標に立ち向かう仲間と一緒に入れることが、勉強への気持ちを保つために必要な大切な要素なんですね。
学習合宿の目的の一つはもちろん「学力向上」ですが、実はそれよりも重要な目的があります!それは学習に対する姿勢・心構えを作ること。
夜間の自習は学年をシャッフルした座席になっています。中学生と高校生が肩を並べて自習をします。言葉を交わすことはなくても、後輩は先輩が学習に取り組む姿勢から多くのことを学びます。そして先輩は隣に後輩がいますから手を抜くわけにはいきません!一人ひとりが他者に対する環境になっているのも合宿のポイントで、一人ではできないことでも環境である他者の力を借りることで達成することができるんです。
夕刻には全体集会が行われ、早朝のテストの成績が発表。満点者、上位者は氏名が呼ばれ、拍手をもらいます。福島成蹊中・高等学校では、学力は先天的なものではなくて努力によって高められると考えており、努力は賞賛されるべきと考えている為、こういった時間を設けています。ここでの目的は、生徒一人一人が自分の努力がどうだったかという事と真剣に向き合う時間になることと、それによって次回への気持ちを高めることが目的です。
テストには学年をまたいだ「共通テスト」もあります。当然、上の学年の生徒が成績が良いと思いがちですが、下の学年が学習したばかりの単元だったりする場合、上の学年の生徒は過去に学んでいる為、復習を怠っていれば逆転も起こり得ます。英単語など多く覚えなければならない分野も、理解力というよりはどのくらい時間をかけて努力したかで力が決まるので、学年の差よりも努力の差が出やすいテストなんです!
共通テストでは、後輩は下克上をねらって努力をするキッカケの場、先輩は後輩に負けるわけにはいかないのでさらに努力するキッカケの場になります。なのでこのテストも、お互いに高め合う環境ということを目的とし行われています。
日常の生活の中では自分の限界を超える経験をすることはなかなかできません。だからこそ学習合宿では意図的に学習以外の要素を排除して「非日常」をつくります。
その環境の中で、一人ひとりが自分の限界を超える経験をし、10時間あまりの学習ができた自信、先輩・後輩・仲間からの刺激、努力が評価された喜び、うまくいかなかった悔しさ、それらが生徒の心を大きく成長させルことを目的としています。そして、合宿が終われば、その成長した心で日常生活がスタートします。それまでの日常とは大きく変わったものになります。
そういった「心の成長」を目的とし、そこにたどり着かせるための環境作りをした合宿なんです!
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