美味しい醤油のために当たり前を続ける。
江戸時代から続く醤油醸造元を引き継ぐ形で「タマスズ醤油」が生まれたのは今から60年以上前のこと。
一般的な醤油づくりに比べ、倍以上の時間をかけて仕込む昔ながらの2年もろみの製法を一貫して続ける理由について、4代目社長の鈴木利幸さんはこう話します。
「伝統を引き継ぐというよりは、それしか方法がなかったという方が近いかもしれません。もろみは生き物。機械で手入れするわけでも空調設備が整っているわけでもないので、手入れは毎日必要です。ちょっとでも時間や温度が違うと味が変わってしまうので火入れの作業にも気を使います。とても手がかかりますが、私たちにとってはそれが当たり前。ただおいしい醤油を作ることしか考えていません。周りからはそれが伝統と映るのかもしれないですね」。
こうして完成した醤油は、塩分は同じなのに角が取れることで塩味が優しく、まろやかな甘みが特徴。arukuスタッフも実際に使ってみたところ、料理の味に大きな差が出ました。他の醤油には戻れなくなりそうです。
※この記事はaruku2021年1月号に掲載したものです。価格や内容は取材時のものです。