「夢や目標をかなえるための、人生の相談役 」
ファイナンシャルプランナー(以下FP)というのは、どんなお仕事をされているのですか?
梅野 FPは、お客さまのお金と暮らしに関わりながらその方のライフプランを提案する専門家です。みなさんが人生を送っていく中で、大学に進学したり、結婚してマイホームや車を買ったり、会社を経営したり、時には自分や家族が病気やケガなどで入院したり…と、いろんな事が起こりますが、そこにはお金が必要になりますよね。そのようなときのために、上手にお金を使うにはどうしたらいいのか、どんな保険に入ったほうがいいのか、それを提案するのがFPの仕事です。保険会社の他、銀行や証券会社などの金融機関や、住宅メーカーなど幅広い業界で活躍しています。他にも独立系FPと言って、FPとして個人開業していらっしゃる方もいますね。
梅野さんにとって、自分のどんなところがFPの仕事に合っていると思いますか?
梅野 テレビや新聞の報道を見ながら、あるいはもっと身近な家族や仕事上で起こっている問題でも、何か解決策があるはずだと思い、その具体解決策を妄想することがよくあります。子どもの頃から数学や物理が得意だったことが関係しているのかもしれませんね。世の中にある問題には絶対にそれを解決する方法(答え)があるはずだと信じているんです。ですから、例えばお客さまが家を買いたい、お子さんに十分な教育を受けさせたい、海外旅行に毎年行きたい、老後は趣味を満喫したいなど、その方の希望や家族構成、資産などを総合的に考えて、これからのライフプランという「答え」を導き出すFPの仕事は自分にとても合っているのかもしれませんね。
梅野さんが常に心がけていることは何ですか?
梅野 相手のことを知ろうとする努力ですね。私たちFPはみなさんの希望や悩みを聞いて、初めて活躍できる仕事です。自分の悩みを誰かに相談するときって、信頼できる相手じゃないとなかなか話せませんよね。ですから、初対面で信頼関係を築けるよう、相手のことを知り自分のことを信頼していただける対応を心がけています。
それから今年の4月から社内に新しく現場のレベルアップを図るべく「FPコンサルティングチーム」という新しい部署ができ、その責任者になりました。チーム員全員で全国をカバーすることになりますが、郡山支社は私自身が担当することになったので、今後福島でも仕事をしていくようになります。そして、自分自身のスキルアップは当然ですが、部長としてチーム員を指導することが私の職務になります。
FPは今後とても注目される仕事と聞きましたが、梅野さん自身どんなFPになりたいと思いますか?
梅野 これからは長期でお金が必要となる医療関係や介護関係などでもFPが必要とされるようになると思いますね。同時に私たちも将来の年金や、これから起こるかもしれない病気、お子さんの教育資金などなど、お金の不安はつきません。その不安を安心に変える、人生の相談役になれるFPになりたいと思います。私たちのチームは全員現在AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)というFPの上の資格を持っていますが、今後はより幅広く知識を持ったFPになりたいので、FPの頂点と言えるCFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)の資格を取る勉強をしています。
梅野さんは東京大学出身ですが、受験生時代どのように勉強されたのですか?
梅野 私は中高と進学校に通っていたため「当たり前のように勉強して、当たり前のようにより偏差値の高い大学を目指す」ことが自然に頭の中にありました。子供はいい意味でも悪い意味でも周りに流されるものですからね。毎日電車通学の間に勉強したり、部活を終えて帰宅し、それから夜の2時位まで机に向かっていたので、合わせると学校の授業以外で7~8時間は勉強していました。そこまで勉強を頑張れたのは、単純に母や先生に褒められたかったから、というのも大きいでしょうね。東大を明確に意識したのは受験まで1年を切っていた高校3年生だったと思います。効率良く、そしてたくさん勉強すれば東大は入れます。
梅野さんには1歳のお子さんがいるそうですが、仕事との両立はやはり大変ですか?また、働くお母さんにとってどんな社会になってほしいと思いますか?
梅野 私は昨年36歳で結婚、出産しましたが、夫が育休を取るという形で、私自身は出産後1ヶ月半で仕事に復帰できました。会社は休みを取るようにと言ってくれていたのですが、私が仕事をしたくて復帰させてもらいました。我ながらわがままですね。子どもと一緒に過ごす時間は少ないですが、夫がお座りや拍手などいろいろ教えているので、その成果を週末に見せてもらえることが、いまはとても楽しいです。
私のように出産後すぐに働きたい女性もいれば、夫のように育児をバリバリやるのもいいよという男性もいるでしょう。男性でも育児休暇がとれたり職場に託児所があったりなど、男性にとっても子育てと仕事が両立しやすい社会になれば、女性も両立できる社会になれると思いますね。そうすることで、配偶者に申し訳ないと思い過ぎず、思う存分仕事や子育てをすることも可能になると思いますよ。
- 日本生命保険相互会社 営業教育部 FPコンサルティング部長 梅野 あ弥(うめの あや)さん
- 出身地
- 兵庫県神戸市
- 出身校
- 東京大学 理一 工学部土木工学科
- お休みの日の過ごし方
- 普段仕事で忙しいぶん、お子さんと一緒に過ごす時間はとにかく楽しいと言う梅野さん。また、大学時代からの趣味であるテニスをして旦那さまと一緒に汗を流しているそう。
※この記事はaruku2014年6月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。