郡山市のふくしま逢瀬ワイナリーを舞台に、月1ペースで開催されているマルシェイベント「逢瀬の風」を知っていますか?きれいな芝生エリアに展開されるお洒落なアウトドアグッズで過ごすChill Out空間や、ここでしか手に入らないハンドメイド雑貨や地元レストランの絶品グルメやスイーツ、毎回新たなお店との一期一会の出会いが魅力で、回を重ねるごとに評判を呼んでいます。そんな「逢瀬の風」ですが、その立ち上げまでには知られざる物語がありました。
逢瀬の風物語① 自粛や中止が相次ぐ逆風からのスタート
「逢瀬の風」がスタートしたのは2021年6月。多くのイベントが自粛や中止を余儀なくされていたこの時期に、あえて新たなイベントを始めることに対する想いを「逢瀬の風」の創設メンバーはこう振り返ります。
「様々なイベントがコロナのせいで中止になるのをただ見ているのが嫌でした。子どもたちの学校行事やお祭り、花火大会などは特にそうで、原因は分かっているんだから対策しながらできることを考えるべきだと思いました」。
満足に営業することすらできない飲食店や、自分の作品を発表する場を奪われた作家たちの姿を身近に見てきたこともあり、こうした想いが日に日に高まっていきます。そんな時に出会ったのが「逢瀬の風」の会場であるふくしま逢瀬ワイナリーでした。郡山の中でも郊外に位置していること、外で密にならずにイベントができることから、この場所での開催を打診。ふくしま逢瀬ワイナリーを知ってもらう場になればとの同意を得て、いよいよ出店者集めに乗り出します。
逢瀬の風物語② 従来にないアプローチでイベント業界の常識に風穴を開ける
とはいえ、立ち上げ当初は出店者集めも一筋縄ではいきません。「何しろイベントをやるならたくさんの人に来てほしいのが当たり前です。でも、この状況では人がたくさん来てしまってはダメ!だからといってぜんぜん人が集まらなかったら、出店者側に利益を出せず、出店してもらえません…」。こうしたコロナ禍ならではの難しい状況を打開したのが“チル”をテーマにしたイベントのコンセプトでした。
「たくさん売って利益を出すことももちろん大事ですが、心から作品や商品を喜んでもらえることも大事。こんな時期だからこそ、売り上げを追求するだけではなく出店者側もお客様との時間や出店者同士の交流を楽しみながらのんびり過ごしてもらいたかったんです」。
お洒落な会場を彩るテントやタープ、出店者のすべてのブースの設営まで全て運営側で行ったといいます。その一方で、お店の数は厳選し、上質なクオリティや密にならない空間づくりにもこだわったといいます。
逢瀬の風物語③ 来場者と出店者の大満足の声が追い風に
こうして集客や儲けに頼らない新しい形のイベントとして動き出した「逢瀬の風」。2021年6月27日には、オープニングマルシェが開かれました。この日集まったのはアウトドアグッズ雑貨や古着のショップに、自家焙煎コーヒーから利き酒セットなどのドリンクブース、創業50年の仕出し店が手がける地元野菜のちゃんこ鍋など、個性豊かな14軒ほどのお店たち。
大々的な宣伝は打てなかったものの、足を運んだ人たちからの評判は上々だったといいます。何しろ、滞在時間は平均1.5~2時間。中にはオープンから最後まで6時間も過ごした来場者もいたほどで、その居心地の良さが伺えます。
また、「人がたくさん来るイベントだと店側は常に忙しくて楽しむ余裕はありませんでしたが、こんなにゆっくり楽しみながら参加できたイベントは初めてでした!」「コロナの影響でイベントがなくなり、作品を発表する場がなくなっていたので本当にありがたかったです」など、出店者からの声も確かな手応えにつながり、はじめての『逢瀬の風』は大盛況の末に幕を閉じました。
逢瀬の風物語④ 今後の目標は逢瀬町に新たな風を届けること
以降、月1ペースで開かれてきた「逢瀬の風」。出店希望者は15社から40社へと倍増していますが、会場のキャパを考え1回のイベントに参加する店舗の数は変えていないのだそう。既存の出店者にとっては自分の都合のいいタイミングで参加できるから負担がなく、来場者にとっても毎回違うお店が参加することで来るたびに違った楽しみ方ができるといいます。また、会場のふくしま逢瀬ワイナリーにちなんでワインやシードルなどお酒をテーマにしたイベントを打ち出しているのも「逢瀬の風」ならでは。「コロナ禍の中でも1年間イベントを続けてこられたのはふくしま逢瀬ワイナリーという会場があったから。この場所でなければここまでチルなイベントはできなかったと思うんです。今後はお世話になった逢瀬町を盛り上げるお手伝いができれば」と、街の活性化も目標としています。実際、その取り組みは少しずつ実を結んでいて逢瀬公園を舞台にしたファミリー向けのイベントを開いたり、4年がかりでスケールアップさせていく逢瀬公園のイルミネーションに取り組んだりするプロジェクトが進行中なのだとか。さらには逢瀬町を飛び越え、結婚式場でのマルシェ&ビアガーデンや本格的なキャンプイベント、会津やいわきで開くマルシェイベントなど、様々なイベントも予定しているそう。まさに福島県のイベントの台風の目になりそうな「逢瀬の風」から、今後も目が離せません!
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