田んぼが黄金に色づく時期。
お米が生まれる場所を見たくて、棚田で有機米を作っている生産者さんを訪ねました。
【新米のできる場所】二本松市 きぼうのたねカンパニー 菅野瑞穂さん
撮影にお邪魔したのは9月中旬でしたが、10日後に再び訪ねた時、田んぼはすっかり金色に変わっていました。arukuが出る10月頭には収穫だそうです。
農業を軸に事業を起こすため大学時代から準備していたという起業家。自立した農業を目指し、県内外で幅広く活動中。
再確認。私達が戴くお米は、虫がはねて、稲がサラサラ鳴って、土の匂いがする田んぼで1年かけて育つもの。
山合いを縫う棚田で、ぼかし肥料で育てるお米。
山合いを縫うように連なる棚田の風景。東和エリアは早くから有機農業が盛んで、牛糞や食品残渣を使ったボカシ肥料でお米をつくる農家が多いとか。菅野さんはこの環境で育ち、大学卒業後に就農。昨年、人と自然をつなぐ<きぼうのたねカンパニー>を立ち上げました。「子供の頃から手伝いはしていましたが、仕事としてやってみると、体力的にも、経営的にもやはり大変でした。」とおっしゃいます。棚田は大型機械が入れないので手作業が多く、収穫は手押しのバインダー。そんな苦労も、楽しさも、自然の癒しも含めて農業を伝えたいと、都内からの農業体験ツアーややインターンシップの受け入れを行ってきました。「米は食の中心ですから、日本人として米づくりをもっと感じてほしい。種まきから脱穀まで時間をかけて作るものだし、食べることみんなに大切にしてほしいと思っているんです。」と話してくれました。今年は県内のマルシェにも積極的に参加。今後は農業の自立を目指してブランド力を高め、農業を中心として地域にはたらく場を創ることも考えていきたいとか。カフェやコワーキングスペースで繋がる新しい農業、わくわくせずにはいられませんでした。
東和には美しい棚田の風景が広がります。10月になると、収穫した稲を笹掛けで自然乾燥する秋の風情へ。
菅野さんの「棚田米」。商品の魅せ方も大事だと、パッケージデザインにこだわり、今年はギフト用商品も開発。
※この記事はaruku2014年10月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。