飛び込み営業から始まった世界への挑戦
家業を継ぐために須賀川に戻ってきたのが2020年1月1日。その1週間後、スーツケースに畳のサンプルを詰め込んで、羽田発NY行きの飛行機に乗り込みました。正直なところ明確な計画はありませんでした。「世界へ畳を広めるために、何をどうすればいいかわからない。でも、行動すれば何かヒントが見つかるかもしれない」。そこから私の世界への挑戦が始まりました。

お金がなく相部屋にしか泊まれなかった
2段ベッドが4つ並んだドミトリーに泊まり、1軒1軒飛び込みで営業。訪問が終わるたびに聞かれたこと、言えなかったことをノートに書いて英語で反復練習。しかし結果は惨敗でした。英語の壁よりも、自分の畳に対する理解不足や商品力の低さが原因でした。2度目の挑戦はその1年後の2021年11月。
1人きりのポップアップ
畳を見て触れてもらいたいと考えた私は、NYでのポップアップを計画しました。そこで、1度目の渡航で知り合った着物店の店主に連絡をしました。「畳のポップアップを開きたいのですが、精一杯の予算が500ドルです。どんなに狭くても、どんなに短期間でもいいのでお店の一角を貸してもらえませんか」。店主に許可をもらい、約1坪・4日間場所を貸してもらえることになりました。

1人で行ったポップアップ in NY
航空券は貯めていたマイレージで予約。ホテルは民泊を利用して、渡航費・開催費含めて全部で17万7千円。精一杯のポップアップでした。自分の声で畳の良さを伝え、自分の耳で現地のニーズを聞きました。結果として、数軒の日本食レストランや個人の方に購入していただきました。翌2022年にはロンドンやパリでも勇気を振り絞って飛び込み営業をしましたがこれも大きな挫折を味わいました。しかし、夢を諦めることなく、どうしてダメだったのか、何が求められているのか必死に考え挑戦を続けました。
世界への挑戦はまだ始まったばかり

今では世界27か国に輸出
2023年はロサンゼルスで畳のPRイベントを開催。畳を手縫いで作るパフォーマンスやミニ畳づくりのワークショップも行いました。これまでの挑戦の結果、今では世界27か国、週一回のペースで海外から注文が来るまでに成長することができました。振り返って今思うこと、それは応援してくれている世界中の皆さんへの感謝です。
そして、諦めずに努力すれば夢は必ず叶うということ。自分の夢を実現するために、誰にも負けない情熱を持ち、謙虚な姿勢で学びながら綿密な計画を立て、勇気を持って行動する。世界への挑戦はまだ始まったばかりです。
(続く)
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有限会社久保木畳店 TATAMI VILLAGE(畳ビレッジ)
福島県須賀川市仲の町55
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※この記事は2024年11月に制作したものです。内容は取材当時のものです。