小野町とは
小野町は、郡山市の中心部から約25km南東に位置する町です。
人口:8,514人(2025年1月1日現在)
面積:125.418平方キロメートル
アクセス:
【電車】JR東京駅より磐越東線小野新町駅まで約2時間30分、郡山駅より約50分
【車】東京より小野町まで約3時間30分、郡山市中心部より約50分
小野町の紹介ムービー
https://youtu.be/fkP-3sLbuQs
(参考)こおりやま広域圏ムービープロジェクト!
https://www.city.koriyama.lg.jp/site/koikiken/5995.html
見どころスポット① 夏井千本桜
町の中心を流れる夏井川の両岸に約5kmにわたって続く桜並木です。その数は約1,000本。1975年の河川改修工事の完成を記念して植えられました。護岸の上は遊歩道になっており、シーズンには多くの方が散歩をしながら桜を眺めるほか、水面に映る桜を楽しむ人もいます。毎年4月中旬が見頃です。
見どころスポット② 緑とふれあいの森公園
町の中心部から6kmほど離れた山の中にある、小野町の豊かな自然を存分に体感できる公園です。自然と人とのふれあいをコンセプトに作られました。ログハウス調の「ふれあいの森の家」や、ユニークなかたちの屋根がある多目的広場「森の体育館」、「オートキャンプ場」などで構成されています。
インタビュー:地域の「当たり前」を魅力に変えて伝える。それは移住者だからできること
子どものアレルギーをきっかけに養鶏農家として移住
―小野町に移住した経緯を教えてください。
岡田さん 一番のきっかけは、お隣りの田村市出身の妻と結婚したことです。娘がアレルギー体質で小麦や卵が食べられず、米粉でできた食品などを一生懸命探していたのですが、当時はまだグルテンフリーの商品が少なく、本当に苦労しました。そこから食の安全に強く興味を持つようになり、いっそのこと自分で作ってしまったほうが早いのではと思うようになりました。妻の実家は農家だったので、その仕事を手伝うことも考えたのですが、自分で何か新しいことをやるのが好きな性格なので、自ら農業に取り組もうと決意。2013年に妻の実家に近い小野町に移住し、養鶏を始めました。
その後約10年にわたって養鶏を続けましたが、私に病気が見つかったため現在は養鶏をお休みし、町の定住コーディネーターとして県内外からの移住や町内での引っ越しを検討されている方の相談に乗る仕事をしています。
―小野町での暮らしにはスムーズに溶け込めましたか?
岡田さん 正直、最初はいろいろと驚きがありました。東京では戸建ての家に住んでいて、窓の外にはすぐ隣の家が建っているような距離感でしたが、困っているときに近所同士で助け合うようなことはまずありませんでしたし、困っているかどうかすらわかりませんでした。それが東京のルールなんですよね。でも、こっちはそうじゃない。むしろ思いきり干渉するような距離感で、それに慣れるまで少し時間がかかりました。しかし、今ではそのほうが楽しいと感じますし、人間的でいいなと思っています。
―小野町の好きなところ、魅力に感じるポイントを教えてください。
岡田さん とにかく自然が豊かです。動物を目にする機会も多く、夜、車を走らせているとフクロウが飛んでいるのが見えたり、夕方に自宅の裏山でムササビが飛ぶのが見えたり。ワシやタカが電線に止まっているのが家の中から見えることも珍しくありません。動物園にでも行かない限り見られないような鳥がリビングから、テレビを観ながらでも見られる。これってすごいことだと思います。キツネやタヌキも当たり前のように出ます。
ただ、小野町に限らず、田舎の人は、それが魅力的であるということには気づいていません。地域にとっての「当たり前」に価値を見出し、魅力として広く伝えることは、移住者だからできることではないかと思っています。
―子育てや教育の面で感じることはありますか?
岡田さん 子育ては地方でやったほうが絶対に良いと感じるようになりました。東京ではたくさん児童がいる小学校に子どもを通わせていましたが、こちらでは子どもがクラスに10人もいません。でも、その分みんな仲が良いし、親同士も仲良くなり、とてもアットホームな環境で勉強させることができました。勉強のレベルも、お金をかけて進学塾に通わせたりするなら話は別ですが、学校だけの話で言えば地方のほうがレベルが高いと思います。子どもが少ない分、個別で面倒を見てくれる時間が多いですからね。家で勉強をさせる必要性をまったく感じないぐらい、学校に通っているだけで必要な学びが自然に身に付きます。
楽器も取り合いになるようなことなく、それぞれに好きな楽器をやらせてもらえますし、スポーツも、東京では都大会に出るといったら大変なことですが、ここなら、競技によっては少し頑張ればすぐに県大会などの上位大会に進出できます。もちろん都会とのレベルの違いはありますが、上の大会に出ることによって子どもに自信がつくことは間違いありません。
感謝の気持ちを持ち、地域のために自分にできることをやる
―定住コーディネーターとして、移住を検討される方にどのようなお話をされていますか?
岡田さん 小野町の概要や暮らしを説明することはもちろんですが、必ず伝えるのは、もし「移住してあげる」という思いで移住するならやめたほうが良いということです。たまに、東京から来たとか、会社で偉い立場だったとか、そういったことを振りかざして偉ぶりたくなってしまう方がいらっしゃるんです。そういう方は、「自分が田舎に行ってやるんだから田舎が何かしてくれるのが当然だろう」という発想になってしまう。もし田舎に来て「うまくいかない」と感じる方がいるとすれば、そこを履き違えているのではないかなと思います。
移住をした後も、自分と地域の方々の間にギャップがあることを認めて生きていくことが大切です。私も10年以上小野町で暮らし、すっかり慣れたつもりではいますが、東京から来た私と地元の方との考え方には、もしかしたら今でも埋まっていないギャップがあるかもしれません。それぞれの土地にはそれぞれの歴史や文化があるわけですから、10年住んだぐらいで壁がなくなると思うほうがおこがましいと思うんです。その感覚を忘れずに地域に馴染もうとすれば、逆に濃いつながりが生まれて、その地域にいることが楽しくなります。
―地域に馴染むためには何をすれば良いのでしょうか。
岡田さん できることをやれば良いだけです。まずは「感謝する」ということだけでも良いと思います。
田舎で暮らしていると、野菜やコメなど、いろんなものをもらう機会があります。でも、いちいち何かをお返しする必要はありません。必要なのは、心から「ありがとうございます」と感謝をすること。田舎の方は、別に物が欲しくて野菜やコメを持ってくるわけではありません。ただ食べてもらいたいんです。それに対して、「うれしいです。ありがとうございます」と素直に感謝を伝えれば、それだけでお互いの距離は縮まるはずです。
また、その感謝の気持ちがあれば、自然に「この人たちのために何かできることはないだろうか」と考えるようになるはずです。そう考えたら、小さなことから行動すると良いと思います。例えば、ゴミの集積所が汚くなっていたら少し綺麗にするとか。小さなことかもしれないし、誰も見ていないかもしれないけれど、気持ちには気持ちで返すことが大切なんです。
―今後、小野町でやってみたいことはありますか?
岡田さん 自分が病気になって初めて気づいたことですが、地方は障がい者に対する配慮がまだまだ足りていません。例えば、オストメイトの方向けのトイレの設置や、車いすの方のための段差の解消などです。
私は移住者であり、移住先で事業を起こした経験があり、ここで病気も経験しました。だから、いろんな立場の人の気持ちがわかる。私みたいな存在は、きっと田舎では珍しいと思うんです。この経験を小野町で活かし、今後は障がい者の方たちの目線に立った活動もできたらと思っています。
岡田さんからの動画メッセージ
イベント紹介
おのまち夏まつり
毎年8月に開催されるお祭りです。小野小町の父とされ平安時代初期にこの地を治めた小野篁(たかむら)ゆかりの「たかむら踊り」を始め、さまざまなイベントやお祭りにはかかせない屋台も軒を連ね、祭りの最後には花火が打ち上げられ夜空を彩ります。
日時:毎年8月15日
会場:小野町文化公園(予定)
夏井千本桜まつり
桜の開花時期に合わせて、夏井千本桜の周辺で開催されます。昼間のお花見はもちろん、夜間はライトアップや周辺のイルミネーションを予定していますので、昼間とは違った幻想的な景色がお楽しみいただけます。
日時:4月中旬(予定)
会場:夏井千本桜
その他のイベント
10月下旬 おのまち健康まつり
11月上旬 おのまち文化祭
11月下旬 小野新町駅開業110周年記念イベント(予定)
※別のこおりやま広域圏わがまち魅力発見のページはこちら
こおりやま広域圏 わがまち魅力発見 先輩移住者インタビュー「新しいふるさとのココが好き!」
※この記事2025年2月に制作したものです。内容は取材当時のものです。