石川町とは
石川町は、郡山市の中心部から約30km南東に位置する町です。
人口:13,486人(2025年1月1日現在)
面積:115.71平方キロメートル
アクセス:
【電車】JR東京駅より水郡線磐城石川駅まで約2時間30分
【車】東京より石川町中心部まで約3時間30分、郡山市中心部より約50分
石川町の紹介ムービー
https://www.youtube.com/watch?v=cNUJerELGZ4
(参考)こおりやま広域圏ムービープロジェクト!
https://www.city.koriyama.lg.jp/site/koikiken/5995.html
見どころスポット① 母畑・石川温泉郷
石川町内には、母畑(ぼばた)温泉、猫啼(ねこなき)温泉、片倉温泉、塩ノ沢温泉の4つの温泉があります。これらの温泉はラジウムの含有量が東北一とされ、2~3日浸かると体調が良くなることから、「母畑の三日湯」という言葉もあるのだとか。日帰り入浴可能な旅館もあり、観光客はもちろん、地域の人々の心と身体も癒しています。
見どころスポット② 母畑レークサイドセンター
多目的に使えるグラウンドや体育館、屋外テニスコート、県南地域唯一のアイススケート場に加え、オートキャンプ場や自然を感じる遊歩道なども整備されたレジャースポットで、1年を通して多くの町民に利用されています。アイススケート場は施設の老朽化により一時は存続が危ぶまれましたが、町民の声により、2021年にリニューアルオープンしました。
インタビュー:自然が好きな人にとってはこれ以上ない場所です
良い意味で、人と人の距離が近い町
―移住の経緯を教えてください。
竹原さん 大学時代、海洋系の大学で海の環境について学んでいたのですが、そのなかで、森を適切に間伐することによって豊富な栄養が川を伝って海へ流れ込み、海産物の生育に良い影響を与えていることを知り、その循環に感銘を受けました。そこから自分も林業の道に進みたくなり、必要な資格を取ろうと調べていたところ、石川町の「ひとくらす」という施設で林業就業のための講習が開催されていることを知り、大学在学中に参加しました。それが石川町との最初の関わりです。
「ひとくらす」で、チェーンソーや刈払機、バックホーなど、林業に必要な機器を扱う資格の取得を進めるなか、石川町で地域おこし協力隊の募集をしていることを知りました。20日ほどの滞在でしたが、地域のお祭りに参加させていただくなどして石川町の人々の温かさに触れ、町の雰囲気に惹かれていたので、協力隊として働けないかと考え面談。採用していただき、大学卒業後すぐに赴任しました。
―町や町の人々の印象はいかがでしたか?
竹原さん 良い意味で、人と人との距離が近いと感じました。それから、他の地域から来た人を迎える準備ができているというのでしょうか。他の地域から来た人を拒否することなく、寄り添い受け入れてくれる方が多いと感じています。お祭りやイベントに顔を出しただけですごく喜んでくれたり、興味を持って話しかけてくれたりする人が多く、スムーズに町に溶け込めました。
町の山林を安心して次世代に受け継ぐために奔走
―協力隊としてどんなミッションに関わっているのでしょうか。
竹原さん 赴任して1年半ほどは移住コーディネーターとして活動していました。しかし、地域おこし協力隊の一つの目的である「任期後の定住」を考えたとき、自分がやりたいことで定住したい気持ちが強く、町と協議のうえ、2024年4月からは森林分野に関わる新しいミッションを与えてもらいました。
―具体的にはどんなお仕事をしているのでしょうか。
竹原さん 伐採の届け出に関するお手伝いなど、町の山林の保全や林業の振興に関わる仕事です。また、林業に携わる人材の育成も視野に入れています。町には、1ヘクタール以上の山林を持つ、いわゆる林家(りんか)さんが700人ほどいますが、それに対して伐採や山の整備ができる団体や職人さんは少なく、山林の維持に課題がありました。もし、林家さんたちが自分で伐採ができるようになったり、林業に携わりたい方が移住してくれたりすれば、山を安心して次の世代に渡せるのではないか。そうした視点のもと活動しています。
私もそうでしたが、都会の方が「林業を始めたい」と思ったとき、どこへ行き、どんな段階を踏めば良いのか、その情報は決して多くはなく、ハードルを感じてしまうと思います。そういう志を持った方たちに対して何か手助けができれば、より林業に参入しやすくなるのではないか。移住ではなく関係人口という形で関わってもらえば、より町に足を運んでもらいやすくなるのではないか、などと考え、上司と相談しながら計画を進めています。木工アーティストの方に声をかけて木の6次産業化に取り組むことも考えています。

伐採中の竹原さん
―町の子どもたちに向けた情報発信もされているそうですね。
竹原さん はい。「木育(もくいく)インストラクター」として、木の魅力を伝える森林教育を町の小中高生に向けて行っています。小学生に向けては、間伐材の欠片をヤスリで削って自分だけのオリジナルのストラップを作ったり、中学生や高校生には実際に木を切り倒すところを見てもらったり、間伐がなぜ必要か講義をしたりしています。私が講習を受けた「ひとくらす」では以前から森林教育や林業にまつわる人材育成に力を入れてるので、連携しながら活動しています。
―約1年活動してみて、その成果をどう感じていますか?
竹原さん まだまだ知らないことばかりで、勉強に追われる日々です。ただ、少しずつ町の方々から連絡をいただけるようにもなってきました。こないだも、前から知り合いだった方から、「こないだ、うちの山で支障木(ししょうぼく)が出ちゃったんだけど、どうすればいい?」とご相談をいただくなど、自分がやっていることを徐々に知っていただけている感覚はあります。
おすすめは、隠れた名スポット「にほんぶな」
―町での暮らしはいかがですか?
竹原さん 町の中心部に住んでいることもあり、不便を感じることはありません。一方、車を5分ぐらい走らせればすぐに山林に入れます。川資源にも恵まれてますし、そうした自然が好きな方にとっては、これ以上ない素晴らしい場所だと思います。その素晴らしさを住民の方に話しても、みなさん「そんなことないよ」と謙遜されるんですけど、めげずに毎回言っています(笑)。
―休日に石川町内でやっていること、よく行くところ、お気に入りの場所などはありますか?
竹原さん チェーンソーの技術を高めるために「ひとくらす」に行って間伐の練習をしたり、薪ストーブを使っている方たちのために薪を作って届けたりしています。お返しにおにぎりをもらったりして、ありがたいですね。

廃校となった小学校を活用した体験学習施設「ひとくらす」
おすすめの場所は、「にほんぶな」です。石川町や周辺の市町村が眼下に広がり、那須連山や安達太良山(あだたらやま)、磐梯山(ばんだいさん)まで見渡せる、とても景色が良いところですが、石川町の人でも「それってどこだっけ?」というような穴場なんです。時間あれば、ぜひ行ってみていただきたいですね。

「にほんぶな」からの眺め
それと、石川町には個人経営の魚屋さんが多くて、「海がないのになぜだろう」と思って町の文化に詳しい方に聞いたら、石川町は昔、いわきと須賀川や白河を結ぶ「塩の道」沿いの商人の町として栄え、新鮮な魚が手に入りやすい土地だったと教えていただきました。その伝統で、石川町には魚にうるさい人が多いんだそうです。そうした独自の文化にも面白さを感じています。
地域に「何が求められていないか」を知ることも重要
―協力隊の任期中にやっておきたいことはありますか?
竹原さん 自分の後を継いでくれる人を探したいですね。せっかく独自のつながりを作り始めることができているので、それを継ぎ、文化として定着させてくれる人を見つけたいと思っています。
―協力隊の任期が終わってからはどんな展望をお持ちですか。
竹原さん 林業の担い手として成熟したいと思っています。そのためにも、また、他の人との差別化という意味でも、木に登って伐採や管理をする「アーボリスト」という資格の取得を目指したいと思っています。
―移住を考えている人たちへ向けてアドバイスをお願いします。
竹原さん 自分がやりたいことを移住先の人たちにしっかり伝えることは大切なことですが、逆に地域から「何が求めていないのか」を柔軟に聞く姿勢を持つことも大切だと、この2年間で感じました。自分のやりたいことだけを主張してしまうと、「この人とはあまり関わりたくない」と思われてしまうかもしれません。
また、移住する側も、「ここまでは踏み込んで欲しくない」というラインも明確にしておくべきだと思います。お互いが同じ町で気持ち良く生活するための配慮があれば、トラブルなく、長く生活していけるのではないかと思います。
イベント紹介
いしかわ桜谷スプリングフェスタ
桜並木のライトアップが行われるほか、メインイベントとしてマルシェや飲食、キッチンカー、体験イベントなど、春を楽しむ催しが開かれます。また、まちなかを流れる川沿いに咲く約2千本の桜は「いしかわ桜谷」と呼ばれ、幾重にも連なる美しい風景を楽しむことができます。
期間:令和7年4月1日(火)~20日(日) (※桜の落花まで)
【メインイベント】
日時:令和7年4月6日(日) 午前10時~午後4時
会場:文教福祉複合施設 モトガッコ
石川サイクルフェス
JBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)との共催により、2日間にわたり石川サイクルフェスが開催されます。全国的にも貴重な公道を走るロードレースで、1日目には川沿いの短距離コースを周回するクリテリウムが、2日目には浅川町にまたがる長距離コースを周回するロードレースがそれぞれ行われ、国内最高峰カテゴリーであるJプロツアーをはじめとした選手たちの熱い戦いを間近で観ることができます。
【2025年開催予定】
第4回石川クリテリウム:令和7年6月7日(土)
第22回石川ロードレース:令和7年6月8日(日)
その他のイベント
8月 石川きらら夏まつり
9月 御神輿パレード
11月 いしかわオータムフェスタ
11月 八槻市
※別のこおりやま広域圏わがまち魅力発見のページはこちら
こおりやま広域圏 わがまち魅力発見 先輩移住者インタビュー「新しいふるさとのココが好き!」
※この記事2025年3月に制作したものです。内容は取材当時のものです。