食欲の秋はスポーツの秋、お出かけもしたいし、おいしいものも食べたい。何かと忙しいこの季節ですが、時にはゆっくり本を読んでみませんか?
みなさん、本を読んでいますか?学生の頃は読んでいたけれど、就職したり、結婚して子育てに忙しかったりして、なかなか読書の時聞がとれないという人も多いのでは?また「おもしろい本があったら教えてほしい!」そんな声も聞きます。そこで、今回はaruku流に読書について考えてみました。どこで本を読もう。どんな本を読めばいいの?そんなあなたに、あらためて読書の魅力、お伝えしちゃいます。
書店のすすめ…本の魅力って?
お話を聞いたみどり書房桑野店の東野さん。なんと30万冊(!)もの情報が顕にインプッ卜されているそう。まさに「本のソムリエ」!
様々なジャンルの実用書も、関連付けたり要望が多い本を常時揃えたりと、並べ方の工夫がされています。
手書きのポップには、書店員さんの“愛”が込められている!
手にしているのは「難しい実用書をマンガにすれば?との声を東野さんが出版社に伝え、実現した実用書。再販も続編も続くベストセラーに!【『子育てハッピーアドバイス』明橋大ニ(著)】
本を読めば、世界が広がる。書店は人と本の出合いの場
本屋さんには本がいっぽい。読みたい本を見つけるにはどうすればいいの?そこで郡山市の『みどり書房桑野店』の「本のソムリエ」東野徳明さんに、本の魅力や読書の心得、書店の活用法などをお聞きしました!
東野さんの考える”本の魅力“とは何ですか?
本は高くても数千円程度でその世界に入っていくことができる、身近な芸術品だと思います。ノーベル賞作家の本でも素人が書いた本でも、同じような値段で読める。他の芸術品ではなかなかそうはいきませんよね。すごいと思いませんか?
また、読んだ後に中身を忘れてしまったとしても、必ず何かが自分の中に残っているもの。それは言葉の言い回しだったり、登場人物への共感だったり。それらは気づかないうちに読んだ人の栄養になっていると思います。
本を読んでもらうために、書店で工夫していることはありますか?
書店は本と人を結びつける場所です。だから私達は、特におすすめしたい本には手書きでポップをつけたり、関連する内容の本は近くに並べたりして、お客様が選びやすいようにしています。地域によっては特定の、ジャンルの本を多く仕入れるとともありますね。郡山市では飲食店など新しくお店を構える方が多いので、意外とインテリア関係の本がよく売れるんですよ。それから「こんな本
はないの? 」というお客様の要望が多くあった時、それを出版社に伝えたことで、出版が実現された本もあります。ですからお客様の声は何より大事。とんな本が読みたい、探しているという声を、どんどん聞かせていただきたいですね。
本を読もうと思っても読みかけだったり、積読状態になったり…。読書を習慣づけるには、どうしたらいいでしょうか?
不思議なことに、本は必要な人と必要なときに出合うもの。たとえば何か趣味を始めようというとき、実用書を手にしますよね。だから、読みたくもない本を無理して読むととはありません。ただ、毎日数分でもいいので活字と触れた方がいいと思います。いざ読みたい本が出てきたときに、読むととに慣れていれば余裕を持って読めますから。読書はスポーツと一緒で『継続は力なり』なんです。
また、本は最初から最後まで順序よく読む決まりなんてありません。中だるみしたらちょっと飛ばして後で読み戻ってもかまわないですし。本を読むというととを、もっと自由にとらえて良いと思います。
こんなとき、こんな本 心に残る思い出の1冊。【みどり書房桑野店 東野徳明さん】
「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」 川上未映子
大阪弁で綴る随筆集。中でも「私はゴッホにゆうたりたい」は、あのゴッホに感謝の気持ちを綴っています。芸術の本質を考えさせる1篇だと思います。
※この記事はaruku2015年11月号に掲載したものです。