待ちに待ったお花見シーズンの到来。
福島県内には数多くの桜の名所がありますが、arukuが注目したのが田村市の名桜めぐり。
市内の各地に樹齢数百年を数える見事な一本桜や色鮮やかな桜並木を有する田村市は、実は知られざる桜の街。
お花見がもっと楽しくなる桜エピソードに、寄り道スポットやおすすめ手土産情報を合わせて、春の魅力満開の田村市を満喫してみて♪
田村市のさくらあれこれ
田村市出身の樹木医・鈴木さんに伺いました
どうして田村市には桜が多いの?
いろんな説がありますが、やはり三春の滝桜の影響が大きいと思います。当時の人々は自分たちの村にもシンボルとなる桜が欲しいと願ったのではないでしょうか。守りたいものの近く(お寺や神社)に桜を植えたり、種蒔き桜といって桜の開花を田植えの目安にしたり、豊作を祈って花見をしたりと、田村市の歴史は桜と共に歩んできたといっても過言ではありません。
田村市の桜の特徴は?
桜の種類で言うとエドヒガンやしだれ桜が多いのが特徴です。ソメイヨシノより古くから日本に原生していた桜で、古木と言われる桜はこの系統です。県の天然記念物に指定されているものもあるんですよ。
おすすめの楽しみ方を教えて!
周りの風景に合わせて桜の景観を楽しんでみてください。特に山里の緑に桜のピンクが映える様は本当に美しいです。また千差万別の形があるのも桜の面白さです。色々な桜を見比べてお気に入りの桜を探してみるのもおすすめです。
桜にちなんだイベントはあるの?
桜まつりは必見です!
桜まつり
日時/2018年4月7日(土)~30日(月) ※ライトアップは4月13日(金)~27日(金)
館山公園の一夜城と大滝根河畔の桜がライトアップされる絶景は圧巻のひと言!
小沢の桜まつり
日時/4月中旬~下旬
小沢の桜が見ごろを迎える4月中旬~下旬の週末に開催されます。ココの桜を見なければ田村市の桜は語れません。
数ある田村の名桜の中から、地元の観光課の方たちに選りすぐりの10本を伺ってきました。
弁天桜(滝根町)
悲しい伝説を持つ不思議な桜
桜の根元には石の祠がまつられ、「嫁ぎ先から生家に帰ることが許されないことを思い悩み、池に身を投じた娘の供養のために親が植えた」という言い伝えを持つ弁天桜。杉林に囲まれて隠れるように一本の桜が花を咲かせる様子は、どこかミステリアスな雰囲気を醸し出します。
永泉寺の桜(大越町)
あの三春の滝桜の姉妹樹
三春の滝桜と姉妹樹と言われる樹齢400年の大木。根回りが4.1mもあり、福島県の天然記念物に指定されています。国道349号線沿いというアクセスの良さに加え、駐車スペースも十分。ゆっくり眺めることができますよ♪
強梨(こわなし)の桜並木(都路町)
100m続く桜のトンネル
立派な一本桜が多い田村市の桜の中で、こちらは桜並木が織り成すアーチが見もの。静かな田園風景をドライブしながら車で走り抜けるもよし。公園の一帯にあるので、家族みんなでピクニック感覚で過ごしてみるのも楽しそう♪
お伊勢様の鐙摺石(あぶみすりいし)ザクラ(常葉町)
歴史好きの心をくすぐる由緒ある名桜
こちらも木々に囲まれたところにある神秘的な一本桜。征夷大将軍・坂上田村麻呂が賊を討伐しに向かう途中、鐙が岩に摺りながら通り抜けたところ、この桜が出迎えてくれたという伝説に想いを馳せながら観桜してみて!
小沢の桜(船引町)
郷愁誘う田村の桜の代名詞
「田村の桜と言えばこれ!」という人も多い、地元自慢の小沢の桜。ソメイヨシノの寿命は一般的に60年程度と言われている中、小沢の桜は推定100年!地元の人たちにそれだけ大切にされてきたことが伺えます。祠と野仏を傍らに携え、移ヶ丘を背景に凜と佇む姿は、まさに懐かしい古き良き日本の原風景!
仲森の紅しだれ桜(船引町)
遠めから見上げる姿が美しい穴場スポット
傘を広げたような特徴のある形をした桜で、小高い山の上にある民家の庭に立っています。
向かい側の山に登る途中の道からの眺めも絶景!傍で見るのではなく、ちょっと離れたところから楽しむのも風流。いろんな観桜の仕方ができる田村市ならではの楽しみ方かも!?
大聖寺(たいしょうじ)のベニシダレ(船引町)
見栄え良く咲き誇る滝桜の子桜
建立700年あまりの大聖寺の境内にある、とても見栄えのよい桜の木。巨木ではないものの、全国の桜の名所を紹介する本に掲載されたこともある、知る人ぞ知る名桜です。永泉寺の桜と同様、ルーツは三春の滝桜。ほんのりとした紅色はまさに春色の象徴!
是哉寺(ぜさいじ)地蔵桜(船引町)
里山にたたずむ一本桜
周りの景色が色づく前の畑と田んぼの中で、鮮やかな薄紅色の桜が目を奪います。足元の菜の花とたもとにあるお地蔵さんも良い感じ。田村の守り神として知られるお人形様からもほど近くにあるので、パワースポット巡りとして立ち寄ってみるのも◎!
松岳寺(しょうがくじ)のしだれ桜(船引町)
お地蔵さんを見守るしだれ桜
三春の滝桜の子桜と言われる一本。江戸時代にこの地域の住民が滝桜の苗をこの松岳寺の庭に植えたと伝えられています。境内にひっそりと並ぶお地蔵さんと桜のロケーションに心が和みます。
蛇盛塚(へびもりづか)のしだれ桜(船引町)
菜の花畑に立つ大蛇が由来の桜
名前の由来はその昔、地域に災いをなす大蛇を退治し、その亡骸を供養したと言い伝えられる塚があることから。菜の花畑が広がる斜面にあり、とても写真映えするしだれ桜です。
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田村市(船引町、都路町、滝根町)のおすすめ立ち寄りスポット&マストバイ手土産
※この記事はaruku2018年4月号に掲載したものです。