銀行員 | プロフェッショナル夢名鑑

銀行員は自分の経験が生かせる仕事。福島の復興に向けて、地元企業のみなさんと歩んでいきます。

五ノ井さんは最初から銀行員を目指していたのですか？

五ノ井　特に業種をしぼらず就活していましたが、東京で就職するか、地元へ戻るか少し迷っていました。そんな時期に東邦銀行の説明会に参加し、地元のためにこれまで自分が勉強してきたことが活かせるのではないかと感じ、Uターンを決意しました。私が入社したのは、2011年入社です。入社が決まり、あいさつのため支店を訪ねたのが震災が起きた3月11日でした。しばらく自宅待機の日々が続きましたが、無事に入社することができました。入社後は、よりいっそう地域に貢献したい。復興のために頑張る人を応援したいという気持ちが強くなりました。

銀行の役割について教えてください。

五ノ井　銀行には昔から続いてきた三大業務「預金業務・貸出業務・為替業務」があります。預金業務はお客様のお金をお預かりする業務、貸出業務企業や個人へお金を貸す（オートローンや住宅ローンなど）業務、為替業務は振込などです。
　根本的な役割は今でも変わりませんが、時代とともに変化している部分もあります。例えば今は低金利時代ですから、お客様も預金の利子でお金を増やすことが難しくなっています。そこで、お客様の資産を増やすため、投資信託や生命保険の活用などをご提案するようになりました。また、お取引先が抱える課題を解決する経営の総合マネジメント業務なども手掛けるようになってきました。

五ノ井さんのお仕事である「融資渉外担当」とは、どんなお仕事ですか？

五ノ井　主にご融資させていただいている企業をまわり、事業計画をうかがったり、各種相談を受けたりしています。「経営課題提案型営業」と呼んでいますが、ご融資させていただいている企業様の決算書を通して、改善点をお話したり、その解決へとつながる商品をご提案させていただいたりしています。私自身がその問題を解決できなくても、上司や先輩、本部の専門の者に相談しながら、解決策をご提案しています。

仕事をする上で意識していることはありますか？

五ノ井　ときには、お客様が私たちに求めることと、私たちがお客様にお願いしたいことが一致しない場合もありますが、できるだけお客様のニーズにあったご提案をして、信頼関係の構築に努めています。銀行を含め、金融機関は他行と決定的な差別化ができる商品があるわけではありません。ご融資するだけでなく、課題を解決するご提案を心がけ、担当として選んでいただけるように努めています。

さまざまな業種の方に会うお仕事なのですね。

五ノ井　お客様に信頼していただき、安心してお話していただくためには、お客様の業界のことも勉強しなくてはなりません。全部を知るのは難しくても、勉強しているという姿勢が見えれば、お客様も安心してくださいます。お客様の業界では当たり前でも、私たちにはわからないこともあり、日々が勉強です。
　上司には「アンテナを高く、視野を広く」とアドバイスを受けてきました。例えば、近くに新しいお店がオープンしたら、興味を持って、どんなお店かチェックします。それがお客様とのお話のきっかけになることもありますし、あとから活きてくることもあります。渉外担当にはそうした力も必要になると思います。そのお客様のためになることをご提案するという形でしょうか。
　
やりがいを感じるのは、どんなときですか？

五ノ井　お客様からお困りごとのご相談をいただくときでしょうか。お客様がやりたいことのサポートができるところにやりがいを感じています。福島の復興は道半ばです。これからも復興のために尽力されている地元企業のみなさまをお手伝いしていきたいですね。

銀行への就職を目指している方にアドバイスをお願いします。

五ノ井　銀行員は、自分のこれまでの勉強や体験など、積み上げてきたことを活かせる仕事です。必須ではありませんが、簿記やFPなどの資格を持っていると、入社してからスムーズに仕事ができると思います。また、外国語が話せるなど、他の人と違うスキルを持っていると、活躍の場が広がるのではないでしょうか。