全く泳げない人からオリンピックを目指す子どもまで、プールで指導にあたる水泳インストラクター。どんな人が向いているの?どうしたらなれるの?セントラルフィットネスクラブ郡山の齋藤将輝さんにお話をうかがいました。
お客様の笑顔や「今日は楽しかったです」のひと言がうれしくなる仕事です。
水泳のインストラクターになったきっかけを教えてください。
齋藤 実は大学時代までは、長距離の選手として陸上部に所属していました。卒業後、就職活動をするなかで、陸上に関わらず、何かスポーツの仕事に関わっていきたい、指導者になりたいという気持ちが大きくなっていきました。
もともと教えることが好きで、体育教師の教員免許も取得していましたし、大学時代も中学校で陸上の指導をした経験もありました。スポーツジムのインストラクターのほかにも、幼稚園に派遣される体育教師の仕事などもありましたが、セントラルスポーツの「0歳から一生涯の健康づくりに貢献する」という企業理念に惹かれ、入社試験を受けました。
水泳の選手だった方ばかりではないんですね。
齋藤 もちろん、水泳の選手として活躍されていた方もいます。セントラルスポーツでは、一人のインストラクターが水泳だけでなく、マシンも、それから資格が必要ですが、ヨガなどのスタジオのレッスンも担当しているので、僕のように水泳以外のスポーツをやっていた方も多いですね。
なかには大学で介護を学び、老人福祉施設へ行き、筋力や運動能力の衰えから自分一人では歩けなくなってしまったお年寄りとふれあうなかで、スポーツの重要性を感じて、インストラクターを目指したという方もいますよ。
水泳は得意だったのですか?
齋藤 はい、昔から好きでした。入社してからは泳ぐ機会も更に増え、以前よりも泳ぎが上達しました。指導経験を重ねていくなかでなかなか泳げない方の気持ちも分かるようになり、上達するアドバイスもできるようになりました。それから、ジャンルは違いますが、自分も陸上に打ち込んできたので、上を目指してストイックに自分を追い込む人の気持ちもとてもよく分かります。
必要な資格や向いている性格はありますか?
齋藤 セントラルスポーツでインストラクターとして仕事をするためには、入社してから決められた研修を受けて社内の認定資格を取得しなければなりません。その後も定期的に研修がありますし、スポーツの各分野のトップの指導者によるセミナーも開催されています。入社してからたくさん学べるので、入社前は資格取得にはこだわらなくてもよいのではないでしょうか。
大切なのは、お客様のニーズを把握すること。泳ぎがうまくなりたくて通う方もいらっしゃれば、運動不足解消が目的の方もいらっしゃいます。入会時に目的や希望をうかがっていますが、その後もお客様とお話しながら、スクールやインストラクターに求めているものを把握し、的確に応えてあげることが大切だと思っています。
もう一つ、全力でお客様と向き合う熱意も大切だと思います。単純に指導マニュアルに沿って指導するのと、「今日はここまで出来るようになってもらおう」と熱意を込めて指導するのとでは、当然結果もお客様の満足度も違ってきます。
やりがいを感じるときは?
齋藤 やっぱり、レッスン後のお客様の笑顔を見たときでしょうか。「先生のおかげで泳げるようになりました」とか、「今日のレッスン楽しかったです」という一言もうれしいですね。
夢をかなえるために頑張る子どもたちにアドバイスをお願いします。
齋藤 水泳はもちろん、スポーツのインストラクターは、誰かのために何か力になりたいという気持ちがある人にとても向いている仕事だと思います。興味を持っている方は、ぜひアタックしてください。
Q&A
Q.お客様の指導の他には、どんなお仕事をしていますか?
A.セントラルでは、クラブの事務もインストラクターが担当します。お客様に気持ちよく利用していただけるようにするのも重要な仕事の一つです。スイミングスクール関連では、プールの監視や水質の調査、清掃もインストラクターの仕事。安全面・衛生面に配慮し、常にこまめな清掃を心がけています。
Q.上手に泳げる人のほうが有利ですか?
A.指導するときは、言葉で説明することが多いのですが、人間は目で見た情報のほうが理解しやすいので、上手に泳げたほうが、お客様が理解しやすく、説得力も増すと思いますよ。
- セントラルフィットネスクラブ郡山インストラクター 齋藤将輝 (さいとう まさき)さん
- 出身地
- 福島県南相馬市
- 最終学歴
- 国士舘大学体育学部
- 休日の過ごし方
- マラソンの練習。大学まで長距離の選手として活動し、箱根駅伝を目指していました。現在、招待選手として参加する南相馬市のマラソン大会のため、練習に励んでいます。
※この記事はaruku2018年8月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。