軽くトーストしたバンズにひんやりアイスを挟んだ「アイスバーガー」。小野町民に長く親しまれているソウルフードです♪シンプルだけど、ボリュームたっぷり。初めて食べるのに、どこか懐かしい。そんなアイスバーガー、どのようにして生まれたのでしょうか?
元祖と言われるお店に伺いました![取材時/2018年8月]
現在、町内3店舗それぞれがオリジナルの味で販売しているアイスバーガー。以前は4店舗で販売していましたが、元祖と言われていた「ススムストア」が閉店してしまったのです。arukuでは以前、「ススムストア」にお話を伺っていました。
地元のスーパーだったススムストアにはフードコーナーがあり、30年以上前から学校帰りの小・中・高校生たちでよく賑わっていたそう。メニューはアイスクリームやハンバーガー。どれも値段がお手頃♪なんと消費税以外は、販売当初のままなのだそう!子どもたちに人気なのも納得です。
「アイスバーガーは今は108円よ~。メニュー表は前のまんまなの(笑)」と、当時お店の方が話していました。
ある時、お店でおやつタイムを楽しんでいる中学生から「ハンバーガーもアイスクリームも両方食べたい!」という声があがったそう。
食べ盛りの中学生ですから、気持ちはわかります。でもおこづかいも限られているし、両方なんて食べたらお腹いっぱいになって夕飯が食べられない…。そこで、店長の吉田さんは考えました。「アイスのハンバーガーを作っちゃおう!」
ハンバーガーをつくる要領で、バンズをトーストで軽くチン。カリッと焼き上がったパンで好きなアイスを挟んだら、アイスバーガーのできあがりです!
作り方はいたってシンプルなのに、温かいパンにひんやりアイスという、この珍しい組合せが子どもたちの間で大ヒット!100円(当時)というお手頃な値段もあって、大人たちも食べに来るようになり、小野町民の定番おやつになったそうです。アイスバーガーは子どもたちの為に誕生した、吉田さんの愛情あふれるおやつだったんですね。
ちなみに、ススムストアで販売していたアイスはこんな感じでした。
コンビニの登場による人気の低迷…
人気を集めたアイスバーガーでしたが、時代の流れと共に、お店に来る子どもたちも少しずつ減りはじめました。少子化に加え、学校帰りの買い食いスポットがコンビニに代わってしまったからです。「アイスバーガーも他のメニューも、作るのに少し時間がかかっちゃうから、しょうがないことなんだけどね」と、吉田さん。それでもお客さんが来る限り、フードコートは営業し続けます。
ご当地グルメブームにのって、人気再燃!
アイスバーガーが再び注目されるようになったのは5年ほど前から。商工会青年部の人達が小野町を活気づけるため、地元の味であるこのスイーツを町の名物にしようと「おのまち小町アイスバーガー」と銘打って開発・PRしたのです。
商工会青年部が開発したオリジナルのアイスバーガーは、地元産の米粉やブルーベリーなどを使用。※シェフリー松月堂で販売
平成25年・27年に会津若松市で開催された県内のご当地グルメ№1を決める「商工会うまいもん№1決定戦」では、見事グランプリを獲得!その後、ご当地グルメブームや口コミも手伝い、町外、県外へ「小野町のアイスバーガー」の名前は広がっていきました。
すると「懐かしくなって食べに来た」「テレビや雑誌で見た」というお客さんが徐々に増え始め、また地元の子どもたちも「逆に新しい」と訪れるようになったそう。
「昔よく食べていたお客さんが自分の子どもを連れてきたり、幼稚園生たちがおかいものの練習で100円玉を握りしめて買いに来たり(消費税分はお店のおまけだとか♪)。子どもたちの姿を見られるのは、やっぱり嬉しい」。笑顔で語ってくれる吉田さんを見ていると、こちらも自分のことのように嬉しくなってしまいます。
アイスバーガーはお店によって味が違うので、食べ比べをしたり、お気に入りの味を見つけたりするのも楽しいですよ♪小野町の懐かしおやつをあなたも味わってみては?
【おのまち小町アイスバーガー販売店舗】
引用:おのまち小町農商工連携推進を考える協議会HP
https://www.onomachi-iceburger.com/
シェフリー松月堂
小野町商工会青年部オリジナルのチョコレート・ブルーベリーの他、季節ごとに旬のフルーツや野菜を使用した限定メニューも。250円(税込)
丸忠ストア
チョコ×メープル、チョコ×イチゴ、チョコ×プレーンの組合せがあります。
レストラン志木
チョコ×マンゴーとブルーベリー、ちょっと和風な抹茶あずきの3種類。
※この記事は2018年8月に制作したものです。価格や内容は取材時のものです。