2021年12月23日に行われた中学校の「弁論・ディベート大会」。この行事は「プレゼンテーション能力の向上」と「現代社会の諸問題への関心を高める」ことを目的に、クラス予選を勝ち抜いた1、2年生6名の弁論と、3年生のクラス選抜者がディベートマッチを行います。その様子を去年に引き続き、ご紹介!
1、2年生の弁論大会
授業の延長として設けられているこの弁論の内容は、「自分の身の回り/世の中の問題」をテーマに生徒たち自身で考え、決めているのだとか。今回発表されたテーマはこちら!
最優秀賞/「日本語の乱れ」赤間玄(1年)
変化は言語の宿命だが、言語は公共のものであるのでズレを小さくする努力はしなければならない。日本語の伝統を守りつつも変化を受け入れる柔軟性が必要だと思う。
優秀賞/「違いを認め合う」草野美有(2年)
「区別」は合理的な区分けだが「差別」は違いに感情で優劣をつけること。差別を無くすには、一人ひとりが違いを受け入れて理解し認め合うことが必要。
優秀賞/「長生きしやすい未来へ」渡邉翔子(2年)
高齢者にとっての「健康」とは「自立して生きること」。私達、若者はいっしょに運動をすることで、高齢者の心と体の健康を保ち、自立できる未来を作っていこう。
「地域に関わる」岡愛理(1年)
自分の住んでいる地域は好き?良く知っていますか?あいさつやゴミ拾い…地域はそこに住む方々によって守られていることに気付いた。自分も恩返しのため、小さな一歩かもしれないが踏み出したい。
「伝統文化をつなげる」中島恋(1年)
4歳から民謡を習っていたが、伝統芸能を次の世代につなぐ人が減っていると実感する。国の誇りである伝統芸能を若者が興味を持って接する機会を作っていきたい。
「広い視野を持って」ウォード琴乃(2年)
物事には自分が気付いていないさまざまな側面がある。加害者にならないため、情報を適切に判断し広い視野を持って生活することが重要。自分自身を疑ってみよう。
どれも感心する内容で、大人の私の心にも響くものばかりでした。
中学生のうちからこのような問題意識を持ち、人に向けて意見を述べ、一緒に考えてもらうということは、自分たちの世界を変える重要な1歩ですね。
3年生のディベート
ディベートとは、1つの論題に対し肯定側と否定側に分かれて論戦を行うこと。自分自身の意見とは関係なく、論理の組み立てや話術による「説得の技術」を競う競技で、観戦者の投票で勝敗が決まります。
今年の論題「日本はすべての飲食店に対して、店内での全面禁煙を義務付けるべきである。電子たばこ・加熱式たばこの使用も禁止する」
【肯定側】
①受動喫煙を減らすことができる
②人命のため「吸わない権利」が優先
③電気タバコが無害か証明されていない
【否定側】
①喫煙者の幸福追求権
②たばこ税は有効活用されている
③電気タバコは法律的にたばこ扱いではない
途中、分煙を取り入れることで両者が尊重される店を作るべきという意見にも広がっていきました。結果は、否定側の勝利!
私自身は、大学3年生の時に受けた就職試験で初めてディベートを体験しました。そのとき自分の価値観と関係なく、その立場の人の意見を考えまとめることに難しさを感じ、ディベートの場にもっと触れておきたかったと感じたことを思い出しました…。ディベートの経験を中学時代から出来るというのは私からすると貴重な経験。こうして思考力をどんどん磨いて、様々な角度から物事を「見て・考える」力を伸ばしていってほしいですね。
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