コンビニやスーパーなどで無料提供されてきたプラスチック製のスプーンやフォークが4月から有料化されることを知っていましたか?SDGsという言葉を耳にする機会も増え、今、エコやサステナブルな暮らしに注目が集まっています。そこで、今回実際にそうした暮らしを実践している人にお話を聞き、自然体で楽しめるエコライフのコツを教わりました。
郡山市富久山町の『ブランチ』は、動物性食品を一切含まないヴィーガン料理が評判の自然派カフェ。四季折々の緑に囲まれたロケーションも素敵で、心も体も元気になれるパワースポットです。そんな『ブランチ』を営む佐久間直美さんの暮らしぶりは、日ごろからプラスチックごみやフードロスを極力出さないように気をつかったり、体に触れる洗剤などは化学物質が入ったものを避けたりと、“地球にやさしい”を実践している姿が印象的。そうしたライフスタイルの原動力が、「疑問を持つこと」と「頑張らないこと」だといいます。
「このごみは捨てた後どうなるの?リサイクルした後はどうなるの?と疑問に思ったことを調べることから始めています。実際にペットボトルやビニールなどのプラスチックごみを細かく分別し、飲食店として1カ月でどれくらいの量になるかを調べたことがあります。気をつかっている飲食店でもこんなにごみが出るんだと驚きました!」と直美さん。農家から直接仕入れる野菜の梱包をやめるなど、見える化することでムダなごみを減らすことができたといいます。
また、お店で販売している植物を購入したお客さんがエコバッグを忘れた際には、リサイクルバッグとして使える紙袋を提供。次回来店時に持ってきてもらうことでリユースする循環が生まれたそうです。「家で使っていない紙袋を持ってきてくれるお客さんも増え、有料のレジ袋を出すことはほとんどなくなりました」。
さらに、洋服や日用品の買い物にも直美さんなりの流儀が。「本当に必要なものかどうか、捨てる時のことまで考えることを心がけています。今も昔も服は大好きですが衝動買いがなくなりましたね。こうやって過ごしていると、家の中に自分の好きなものしかなくなっていくんですよ。部屋も整って気持ちがいいし、お金がかからないのも嬉しいです」。そう話す直美さんの言葉には、切り詰めたり我慢したりといった様子が全くなく、どこまでも自然体。エコライフを楽しむもう一つのコツである「頑張らない」が垣間見える瞬間です。
「地球のための行動って、実は自分のためにやっていることでもあるんです。たとえば食器用洗剤やスポンジに含まれているマイクロプラスチックが海や川に流れ、それを食べた魚を巡り巡って人間が口にする。環境問題もごみの問題も食の問題も全て繋がっているんです」。地球にいいことを実践しながら、気持ちよく日々を過ごしている直美さん。皆さんも自分にできることから始めてみてください。
SHOP INFO
Branch【ブランチ】
福島県郡山市富久山町南小泉字江142-1
営/ランチ10:00〜14:00、カフェ10:00〜16:00
休/月曜、火曜
P/15台
※この記事はaruku2022年3月号に掲載したものです。価格(税込表記)や内容は取材時のものです。