コロナ禍の影響や、健康志向への高まりで自転車人口が増えつつある今。自転車で通勤や通学をしている方や、ロードバイクで小旅行をしている方などを見かける度、「気持ちよさそうだけど、始めるにはハードルが高そう…」「長時間走るには体力が…」と思っている方も多いのではないでしょうか?
なぜならドライブ中によく見かけるサイクリストたちはみんなこんなスタイル。カッコいいけれど、自転車=体力がきつそうというイメージに加えて、お金がかかりそう、ここまでの域に達するには難しそう、ピチピチのジャージスタイルなんてまず無理!等々、思い浮かぶのはネガティブなイメージばかり…。
ですが、それは自分でハードルを上げているだけ!なぜなら自転車は一台あれば一人でも始められる気軽さと、身長さえあれば性別も年齢も問わないで楽しめるものだから!!
“日本一自転車が好きな村”を掲げる玉川村の地域おこし協力隊のひとり・齊藤さんは、自転車の魅力を「自分の足で、世界中どこにでも行けること」と語ります。齊藤さんは大学生の時、東京から地元・秋田まで自転車で帰省したことをきっかけに、自転車にハマってしまったそう。「20~30㎞先は近所」という感覚は、自転車乗りとしては普通(!)だそうで、時間があるときは玉川村から郡山まで買い物や食事によく行くのだとか。
「長距離を走るのは確かに辛いですが、自転車で走っている時の風を切る爽快感、走り切った後の達成感はとても大きいですよ」
…うーん、それは魅力的!でもそこまでの域に初心者でも達することができるのか…??と、まだまだハードルを感じるarukuスタッフ。そこで、今度は郡山市の自転車専門店「サトーサイクル」の店主・佐藤さんに、自転車を始めるポイントを教えていただきました!
サトーサイクルは通勤・通学用から、トライアスロン、ロード、MTBなど本格的な自転車まで取り扱うサイクルスポーツショップ。自転車や小物アイテム、カスタムできるパーツまで幅広く取り扱う、まさにサイクリストの聖地!
話を伺った佐藤さん。初めての方から上級者まで専門家目線で丁寧にサポートしてくれます。そんな佐藤さんに、自転車の選び方から魅力までを伺いました。
- 自転車選びのポイントを教えてください!
佐藤さん 自転車はシティサイクル(いわゆるママチャリ)から、ミニベロ、クロスバイク、ロードバイク、マウンテンバイク、グラベルロードなど様々なタイプがあります。様々なタイプがあるからこそ、「通勤や街乗りで使いたい」のか「フィットネスとして取り入れたい」のか、あるいは「ロングライドや大会に参加したい」のか、デザイン+乗り方や目的、やってみたいコトで選ぶと良いですよ。
aruku なるほど。では、気持ち良く走るためには何を選べば良いのでしょうか?
佐藤さん ロングライドやオフロードなどを走りたい方なら、長距離走っても疲れにくいロードバイクやクロスバイク、悪路でも走れるマウンテンバイクなどスポーツバイクがおすすめです。走りを目的にしているので車体もとっても軽く、高い機能性や耐久性、メンテナンスしやすいものなど色々あります。値段も様々ですが、中には100万円を超えるものもありますよ。
aruku 100万!?やっぱり自転車の世界は大きいですね…。
佐藤さん 反対にそこまで本格的なものを求めてないなら、シティサイクルでも実は十分。今はスポーツバイクのように性能が高いものも多く、耐久性もあって、スタイリッシュでおしゃれに走るものもたくさんあります。
aruku シティサイクルなら気軽さがありますね!しばらく自転車に乗っていなかったから知りませんでしたが、かなり進化しているんですね。
佐藤さん 自転車は車検なんてのはありませんが、毎日乗っていればタイヤやブレーキパッドなどが消耗してきます。定期的にパーツの交換など必要ですが丁寧にメンテナンスしていけば、10年、20年と長く乗ることができるので、よき相棒になってくれるはずです。
- 持っていた方がいい小物アイテムはありますか?
佐藤さん まずはヘルメット。こちらはやはり街乗りでもあったほうが安全です(※警察庁の統計では、自転車事故で死亡したケースの6割は、頭部の致命傷が原因。へルメットを正しく着用すれば、死亡のリスクは1/4に軽減されると報告されています)。
aruku そうですよね~。わかってはいるんですが、髪がペタンコになるし、カッコ悪くなりそうで…。
佐藤さん 空気孔があるものは頭が蒸れないし、今はシンプルなものや帽子のようなデザインもあるので、選択肢は色々あります。万が一のことを考えれば、これ一つで命を守れると思えば安いと思いませんか?他には、グリップが滑りにくくなるグローブ、夏の日などはUVグラスなどあると便利ですね。水分はいつでも必須!片手で飲めるサイクルボトルは、専用ケージを使えばフレームに装着する事もできるので便利です。
aruku 荷物入れに小さめのリュックやサコッシュもあると良さそうですね。
佐藤さん ロングライドをしたい方は修理キットなども必要です。アクシデントは意外とつきもの。途中でパンクしたり、ギアの調子が悪くなったりしても、自力で帰ってこられるよう、最低限の修理キットは用意した方がいいです。
aruku 服装は?恥ずかしながら、体型的にピチピチジャージはちょっと…。
佐藤さん 服装はTシャツでも、ストレッチの効いたデニムパンツでも、ペダルを漕ぎやすければ何でもOK!本格的なウェアやシューズなどは、必要になってきたら徐々に揃えていけば良いと思います。
aruku それを聞いて安心しました(笑)!他には何かありますか?
佐藤さん 水の他に、補給食も欲しいですね。飴、ゼリー飲料、羊羹など、携帯しやすくすぐエネルギーになるもの。自転車好きな方は、道の駅や観光スポットでご当地ソフトクリームを食べるのが楽しみ!という方も多いです。
- 佐藤さんオススメの福島県内のサイクリングロード&エリアは?
佐藤さん 中通りエリアなら、1つめは棚倉町~矢祭山付近まで走れる「久慈川サイクリングロード」。ここは約22kmの自転車歩行者専用道路となっており、アップダウンも少ないので初心者の方や親子サイクリングにおすすめです。途中、道の駅もあるし、何より車通りが無いので安全に走行できるのがポイントです。
佐藤さん 2つめは穴場的なエリアで、郡山市西部の西部工業団地~逢瀬~三穂田のあたり。車通りも少ないですし、工業団地や農道、川沿いなど景色も飽きない。所々食堂もありますし、公園など休憩地点もたくさんあります。そのまま須賀川や天栄村に抜けられるので、徐々に距離を延ばしてみてもいいのでは?
佐藤さん 3つめは中級者向けになりますが、猪苗代湖。一周約60kmあり、湖岸道路からの湖や磐梯山の眺めがとにかく素晴らしい!夏でも涼しいし、途中途中に公園や食堂など休憩地点もあるから走りやすく、全国からサイクリストが集まる人気のスポットです。
aruku どのスポットも走ったら気持ちが良さそうですね。
佐藤さん このほかにも、阿武隈川沿いや裏磐梯エリア、いわき七浜街道、土湯スカイラインなど、山・海・湖・川など自然が揃っている福島県にはサイクリングにもってこいな場所がたくさんあります。会津や白河など歴史的な町も楽しいですね。だから、こんなに走りたくなる場所があるのに、自転車人口が増えないなんてもったいない!交通ルールを守りながら、ぜひお気に入りのスポットでサイクリングを楽しんでください。
- 佐藤さんが思う自転車の魅力は?
佐藤さん 何といっても、サイクリングは走ることに集中するのでストレス解消につながります。無心に走って、汗をかいて、程よい疲れと達成感で気分もスッキリ!それから、街なかや路地裏、オフロードなど車では走りにくい所も自転車ならスイスイ行けるし、こんなお店があったんだ!こんな公園があったんだ!と地元を再発見できるのも楽しいですよね。
aruku 確かに、車ドライブじゃ気付かない発見がたくさんありそう!
佐藤さん 自転車は高い趣味と思われがちですが、健康にもダイエットにもいい。燃料=食べ物なので、ガソリン代もかからないし環境にもいい。自転車を通じて友達や知り合いもできる。まさに良いことづくめ!交通ルールを守って自転車を楽しむことができれば、新しい世界がどんどん広がると思います。
7/31(日)初心者向け自転車イベント“はじめてのサイクリング旅!ふくしまチャリバスツアー!”を開催!
ここまで読んで、がぜん自転車に興味を持ってきたアナタ!7月最後の日曜日に、郡山~玉川村を走るサイクルイベントを開催するので、まずは気軽に参加してみては?当日のサポートライダーとして、先に紹介した玉川村の地域おこし協力隊の齊藤さんも参加します。
齊藤さんが教える、ツアーのポイント!
・坂道はバス。その他は平坦なコースなので初めての方でも全く余裕で走れること。
・須賀川市と玉川村にまたがる乙字ケ滝は、夏こそ最高なひんやりスポット。
・玉川村の新スポット「森の駅Yodge」での体験イベントもあること。
イベント詳細はこちら!8月以降に開催するチャリバスツアーの日程も♪↓
はじめてのサイクリング旅!ふくしまチャリバスツアー
過去に実施したサイクリングの様子は動画でチェック!
チャンネル登録はこちらから♪
自転車は意外とハードルは高くない!
齊藤さんや佐藤さんの話を聞いて、自転車に対するイメージが変わりましたか?趣味にするならコレを揃えなきゃ、という決まりはありません!自分が走っていて楽しい自転車を選んで、走ることや福島の魅力を自転車でどんどん発見してみてくださいね。
旅行企画・実施・お問合せ/024-953-4887(株式会社郡中トラベル)
福島県知事登録旅行業第二種358号 総合旅行業務取扱管理者 菊地正利
※この記事は2022年7月に制作したものです。内容は取材当時のものです。