平田村とは
平田村は、郡山市の中心部から約25km南東に位置する村です。
人口:5,262人(2024年11月1日現在)
面積:93.42平方キロメートル
アクセス:
【電車】JR東京駅より東北新幹線で郡山駅まで約1時間20分、郡山駅より磐越東線小野新町駅まで約50分、小野新町駅よりバスで約20分
【車】東京より平田村まで約3時間30分、郡山市中心部より約50分
平田村の紹介ムービー
https://youtu.be/EiRzzw83A44
(参考)こおりやま広域圏ムービープロジェクト!
https://www.city.koriyama.lg.jp/site/koikiken/5995.html
見どころスポット① ジュピアランドひらた
村のシンボル・蓬田岳(よもぎだだけ)の山裾の地形を生かして作られた森林公園です。芝桜の名所として有名で、約25万株もの芝桜が植栽されており、満開時には花の絨毯を敷き詰めたような美しい景色が広がります。5万平方メートルの敷地に2万7,000株ものさまざまな品種のあじさいが植えられた「世界のあじさい園」も人気です。子ども向けの遊具もあり、家族で楽しめます。
見どころスポット② 山鶏滝(やまどりだき)
ふくしまの遊歩道50選や福島遺産100選に選ばれている、高さ約10m、落差約8mの滝です。滝へとつながる約750mの遊歩道はハイキングコースとして人気で、夏には涼を求めて多くの人が訪れます。秋の紅葉シーズンに散策するのもおすすめです。
インタビュー:仕事でお世話になった福島に恩返しをする気持ちで移住しました
東京の市場で働いた経験を活かし地域おこし協力隊員に
―移住の経緯を教えてください。
西脇さん 新潟県小千谷市の出身で、長く地元で働いていましたが、40歳にして東京に移り、以後20年間、「東京の台所」ともいわれる大田市場で青果の仲卸に関わっていました。大田市場には全国各地からさまざまな野菜や果物が入ってきますが、私は新潟出身ということもあって東北6県と甲信越からの買い付けを担当しており、なかでも福島は私にとって非常に魅力的な生産地でした。
ところが、東日本大震災以降、風評被害で東京の人たちが過剰なまでに福島の野菜を手にしなくなってしまいました。それがあまりにも切なくて、2019年、60歳の定年退職を機に何か福島に恩返しをしたいと考え、移住を決意しました。
―地域おこし協力隊の仕事はどのようにして見つけたのですか?
西脇さん 最初は都内のハローワークへ行き、福島でできる仕事がないか探しました。しかし、アルバイトならともかく、60歳の自分を正社員として雇ってくれる会社はなかなか見つかりませんでした。そんななか、ハローワークの方から地域おこし協力隊という制度を教えていただき、平田村の地域おこし協力隊の募集に出会いました。地域おこし協力隊は20代や30代の方が任命を受けることが多いのですが、平田村の地域おこし協力隊のミッションは、「村の特産品に付加価値を付けて首都圏のマーケットに売り込む」というもの。大田市場で働いていた私の経験とマッチするところもあり、採用していただきました。
「ここで主役になるんだ」という思いが原動力
―赴任後はどんな仕事をされましたか?
西脇さん 2019年12月に平田村に来てすぐ、ここではどんな野菜が特産なのだろうと思い、「道の駅ひらた」へ行ったのですが、農産物がまったく売られていませんでした。平田村の農家さんには、冬場に野菜を作る習慣がなかったんです。真冬には氷点下10度以下にもなる高地なので当然なのかもしれませんが、通年栽培されている野菜がないのでは、自分のミッションを遂行するのは非常に難しいと考えました。首都圏の市場で勝負するためには、品質だけでなく量も重要ですからね。そこからは逆転の発想で、勝負できる野菜を新たに地元の生産者さんに作ってもらおうと考えるようになりました。
大田市場時代、イタリア野菜のちょっとしたブームがあったんです。レストランなどでの需要が高い一方、生産量が少ないため、普通の野菜より値崩れしにくいのが魅力でした。それを平田村の特産にできないかと考え、まずは自ら栽培してみようと考えました。
―農業の経験はあったのでしょうか?
西脇さん まったくありませんでした。しかし、まずはどんな野菜なのか、そして、本当に平田村で栽培できるのかを実際に見せなければ、農家のみなさんのご協力をいただけないと思ったんです。役場の用務員さんなどに教わりながら、任期1年目の冬に栽培を開始しました。無事に野菜が育ち、その野菜を村内や周辺市町村の飲食店で使っていただくなどして、需要がある野菜だと農家のみなさんに認識していただいてからは、広がりが早かったですね。2年目には3人、3年目には8人と協力してくれる農家さんが増え、今では村内の15人もの農家さんがイタリア野菜を生産。村の学校給食にも使われています。福島県の広報誌やFM番組で取り上げていただくなどした影響もあり、農業関係者の方が平田村に視察にいらっしゃることもあります。
―村での活動にそこまで力を注げたのはなぜでしょうか?
西脇さん まずは何より、村のみなさんとのご縁をいただけたから。そして、私を必要としてくださったことに私自身が感動したからです。仮に平田村で失敗したとしても、東京に戻ればやれることは見つかったでしょう。しかし、その甘えを断ち切り、福島を終の棲家にするつもりで仕事を探して、縁あって平田村に来たわけですから、そのことに何とかお返しをしたかった。自分がここで主役になって頑張るんだという思いで働きました。
地元の方が気づかない魅力を見出すのが移住者の使命
―西脇さんは平田村のどんなところに魅力を感じていますか?
西脇さん やはり自然環境ですね。夏はそれなりに涼しいですが、冬は正直寒いです。雪はそれほど降りませんが、かなり冷え込みます。ただ、新潟出身の私にとって寒さは苦ではありません。むしろ、故郷に帰ったようなうれしい気持ちにもなります。
―平田村の生活のなかでよく行かれる場所、好きな場所はありますか?
西脇さん 観光という意味で言えば、おすすめはジュピアランドひらたですね。地元の方々が大切に作ってきた公園です。ただ、個人的には、いわゆる観光地ではない、山あいならではの自然豊かな風景が好きです。農業をやっていると休みがなかなか取れませんが、少し時間ができたときには、そういう景色に癒しを求めて出かけることがあります。どこに行くとは決めず、まだ知らないところに行くのが好きなんです。素晴らしい景色に思いがけず出会ったりして、「平田村にこんなに良い環境があったんだ」とあらためて感動することもよくありました。
―これから移住を検討される方にメッセージをお願いします。
西脇さん 地域の人々は、地域の本当の良さに気づいていないものです。移住者の目線だから見つけられるその土地の良さは必ずあって、それを見つけることは移住者だからこそできることだと思います。「当たり前じゃないんだよ、これって宝だよ」と地元に人たちに伝えていくことも、移住者の一つの使命だと思います。
イベント紹介
芝桜まつり
ジュピアランドひらたの芝桜が見頃となる毎年4月中旬~5月中旬にかけて開催されます。ゴールデンウィークの期間には芝桜がライトアップされるほか、園内ではキッチンカーによる飲食の販売もあり、村内外から多くの人が訪れます。
駒形(こまがた)ジャンガラ念仏踊り
毎年8月13日に開催される、先祖を供養するための踊りです。村の天然記念物に指定されている「十文辻(じゅうもんつじ)の桜」の下で念仏供養をしたあと、駒形地区内の新盆の家を供養してまわります。平田村の重要無形文化財に指定されています。
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こおりやま広域圏 わがまち魅力発見 先輩移住者インタビュー「新しいふるさとのココが好き!」
※この記事2024年12月に制作したものです。内容は取材当時のものです。