手づくりの玩具に漆器、メガネや鞄も…福島の手仕事を探る。

Mastro Geppetto【マストロ・ジェッペット】

一緒に遊ぶ玩具は、パパの愛情。

国内外で高い評価を受ける「マストロ・ジェッペット」は、南会津にある木工や製材等の６社で立ち上げた会社です。熟練の職人さんが作る木のおもちゃは、継ぎ目がわからないほど丁寧な作りで、たとえ口にいれても安全。デザインが美しい上、触感や音も心地よいのです。「引っ張りっこ」や「お出かけ」など、多くがパパ・ママとのコミュニケーションを考えたもの。富永さん自身の幼い頃の記憶や子育ての経験に紐づくというデザインに、子どもたちへの深い愛情を感じました。

「ピタっとはまる」「角の上に積む」三角積木の面白さに大人もハマりそう！　CUBICOLO「トリアンゴロ」 13,824円

GO TOGETHERシリーズ「チャック！（カメラ）」4,104円、「グイード（ハンドル）」3,672円、FIRST TOYシリーズ「レガーメ」カラー3,240円、ナチュラル2,916円

左から）アートディレクターの富永さん、取締役の児山さん、渡部さん。着色も、枡の技法を使った箱作りも全て手仕事。

会津のうつわ「工房鈴蘭」

毎日使える愛しい漆器たち。

鈴蘭の創業は26年前。今のライフスタイルに合う漆器を探求する中で、中の飲み物が見えたら面白いねと、人気のお月見グラスが生まれたとか。本来、漆はガラスに定着しないものなのだとか。爽やかに透ける色や漆らしい手ざわりを、独自の技術で叶えました。「どういうモノならお客様に使ってもらえるか、いつも考えています」と言う鈴木さん。毎日の食卓には取り皿がいる、料理にひと色添える食器があれば…と品揃えを広げ、愛しくなるような食器のラインになりました。

フリーカップ（大）1個2,808円、ぐいのみ1個1,296円

店長の鈴木あゆみさん。「誰も気付かないような（笑）」模様やグラスのエッジにもこだわる。

CÓYA【コウヤ】

美しく機能的なオールウッドの眼鏡。

オールハンドでこの精巧なウッドフレームを作るのは、明治から続く老舗の5代目。デザインを志して留学し、9年前にブランドを設立。色や肌触りによって素材を使い分け、金属も接着剤も使わずに作るとか。モノとしての美しさもさることながら、羽のように薄くしなる緩衝板や蝶番の工夫で機能性も向上。「プロダクトとクラフトの中間をやりたいんです。できれば全国でどこまで通用するか見てみたい」と、薮内さん。「それを福島でやるのが、かっこいいじゃないですか」。

代表の藪内義久さん。音楽イベント「FOR座REST」や、「LIFEKU」の仕掛人の1人でもあります。

デザインから加工まですべて手作り。曲線の美しさ、繊細さ、軽さは感動モノです。デザインは現在７種類。オーダーが多くて製作が合わず、現在は「お待ちいただいている状態」だそうです。

TREPITO【トレピト】

使うほど自分色に育つ三角リュック。

ティピーリュックは、アメリカ先住民のテントをイメージしたもの。個性的な三角形、トグルで留める形もキュートなこのデザインは、板垣さんが20年も前に生み出した、いたがき第一号のオリジナルバッグだそうです。TREPITOの製品は、植物由来のタンニンでなめした革で作られていて、使うほど表情に深みが出ます。丁寧にお手入れすれば一生もの。今年登場の帆布バージョンも素敵です。

収納力もあるティピーリュック（上左から）ワイン／キャメル／チョコ　各45,360円、帆布：生成り／ピンク／ネイビー／アップルグリーン／グリーン　各43,200円

背中側が開くから防犯性の高い、リングシンプルリュックは、34,560円。

※この記事はaruku2016年6月号に掲載したものです。価格や内容は取材時のものです。