鯛の昆布〆め(柚子釜にいれて)
「めで鯛」といえばお祝いの定番。淡白な鯛の味を濃縮し、身を引き締めた鯛の昆布〆めは、本格料亭でいただくイメージですが、実は自宅でも挑戦しやすいシンプルな調理方法でした!
【作り方】
❶鯛の刺身に軽く塩をふり、キッチンペーパーに挟んで、ひと晩寝かせて水分を抜きます。
❷軽く拭いた昆布の間にはさみ、さらに1~2晩寝かせます。食べられるまでに時間はかかりますが、3~4日は日持ちするひと品です。
重箱に小さい器をいれて、料理を分けると、見栄えが良くて味も移りません。柚子の実をくり抜いた「柚子釜」を使うと、おしゃれ度MAX!
卵黄の西京味噌漬け
火を使わずに作る、濃厚なおいしさ!金色に輝くキンカンのような卵。ねっとり濃厚な味は、ごはんのお伴にもぴったりです。
【作り方】
❶生卵をビニール袋にいれて1日凍らせます。
❷常温に戻して黄身を取り出し、西京味噌(みりんをいれた味噌)に1週間漬けておくだけで完成です!
「包む」盛り付けで香りも味わう
写真で金紙に包まれているのは、スモークサーモンです。包みの色合いが豪華なばかりでなく、開けた瞬間、スモークの香りが鼻先にふわっと立ち上ります。香りの強いもの、鴨ロースなど香りを味わいたいものにツカえる、プロならではのテクニックです。
煮しめ
目からウロコの作り方!
【作り方】
ゆがいて火を通した素材を、(熱いうち)素材に合わせた出汁にひたして味を含ませます。
★山いもはぬめりをとる程度にゆでて、甘みのある煮汁に。
★ちしゃとう(茎レタス)は、色を活かしたいので、塩水で仕上げます。
※普通に煮汁で煮るときは、落し蓋をして、焦げないようにゆっくり煮ること。あまりいじらないほうが煮崩れません。
5色を意識的に使って見た目も華やかに
素材や器は、赤・青(緑)・黄に金銀の色を揃えると、ぐっとお正月らしくなります。また、やってしまいがちですが、お重にはあまりギュウギュウに詰めないほうが美味しそうに見えます!
基本の出汁の作り方はこちら!
紅白なます
さっぱり食べられる、和風サラダ
【作り方】
❶千切りにした大根(またはカブ)とニンジンに、塩を振ってしなっとさせてから、水で軽く塩気を抜きます。❷昆布だし(3):酢(1):砂糖(1)の割合で混ぜ合わせて濃い目の甘酢を作ります。
❸大根・ニンジンを甘酢に漬け、1~2時間すれば食べられます。
ローストビーフ
余熱で火を通してジューシーに!あまり火を通さないのがジューシーに仕上げるコツ!最初に隠し包丁をいれると、厚切りにしても柔らかくいただけます。
【作り方】
❶牛ロースの塊に、隠し包丁を入れて火の通りを良くします。
❷フライパンで表面を軽く焼いてから、塩・コショウをして、220℃のオーブンで15~20分焼きます。
❸ホイルに包んで寝かせ、余熱で火を通します。
※大根で実演してもらいました。
美日庵玉子
きめ細かくてきれいに仕上げるのは、裏ごしのひと手間
【材 料】
・卵(卵黄9個+全卵1個)
・白身魚(すり身)100g
・みりん100cc
【作り方】
❶白身魚をフードカッターにかけ、裏ごしして、卵液とみりんを混ぜます。(市販のすり身でもOKです。)
❷型に流し込み、蒸し器で蒸します。
教えていただいた調理の方法はどれも簡単です。ただ、板前さんが作る時には、もっと手間暇をかけ、道具を使いこなし、温度管理を厳密にして作っています。それだけに、試食したお料理は味・香り・食感にメリハリがあって、どれも目を閉じて堪能したくなるものばかり。少しずつの手間でこんなに味が違うのかと感動しました。おうちで作る時も、手間や時間を惜しまず、少ない品数でも丁寧に作ってみてください。
【教えてくれた人】
五十嵐 公(いさお)さん
※この記事はaruku2016年12月号に掲載したものです。